へんぺいたいせん

扁平苔癬

最終更新日
2023年12月04日
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2023/12/04
更新しました
2017/04/25
掲載しました。

概要

扁平苔癬(へんぺいたいせん)とは、皮膚や口腔粘膜に生じる炎症で難治性・再発性の病気です。発症すると小さく隆起したかゆみを伴う発疹(ほっしん)が現れ、時にザラザラとした鱗屑(りんせつ)*を伴う(はん)になります。はっきりとした原因は分かっていないものの、ウイルスの感染、薬剤や金属アレルギーなどの影響によって発症し得ると考えられています。

体のさまざまな部位に生じますが、特に体幹(胴体)や手首の内側、手の甲、脚、陰部によくみられ、口の中に発生することもあります。口の中に発生する扁平苔癬(口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん))は、約1%ががん化するといわれています。

特に、口腔扁平苔癬は治りにくく再発しやすい病気のため、長期にわたる慎重な経過観察が必要です。

*鱗屑:皮膚表面が剥がれ落ちる状態

原因

扁平苔癬の原因ははっきりと分かっていませんが、ウイルス感染症や金属アレルギー(歯科用金属を含む)、薬剤アレルギーなどが原因になり得ると考えられています。また、皮膚の乾燥が関係している可能性もあるといわれています。

症状

扁平苔癬には、皮膚に生じるものと口の中に生じるものとがあり、それぞれ症状が異なります。

皮膚の扁平苔癬

皮膚に生じる扁平苔癬の主症状は、かゆみを伴う紫紅色(しこうしょく)発疹です。発疹は、体幹(胴体)や手首の内側、手の甲、脚、陰部などに現れやすいといわれています。

そのほか、水疱(すいほう)(水ぶくれ)や皮膚の表面がうろこ状になって剥がれ落ちる鱗屑を認める場合もあります。

口腔扁平苔癬

口腔扁平苔癬では、白いレースがかかったような病変がみられます。多くは両側の頬粘膜に発生し、歯肉や舌にも好発します。

自覚症状がないこともありますが、痛みやしみるような症状を伴うのが特徴です。

検査・診断

扁平苔癬の発疹は特徴的な見た目をしているため、発疹の外観や部位によって診断を行います。しかし、見た目が似ているほかの病気もあることから、通常は病変の組織の一部を採取して顕微鏡で調べる生検が行われます。

原因として金属アレルギーが疑われる場合は、パッチテストが実施されます。また、扁平苔癬は肝炎とも関連があると考えられているため、血液検査で肝臓の状態や肝炎の有無を調べる場合もあります。

治療

皮疹の治療は副腎皮質ステロイド薬の塗布が一般的ですが、病態によっては免疫抑制薬を用いた治療も検討されます。また、痛みやかゆみを伴う場合には、抗ヒスタミン薬などが処方されることもあります。

口腔扁平苔癬においても薬物療法が中心です。歯科用金属のアレルギーが疑われる場合には、かぶせものや金属のつめものを除去する必要があります。また、口腔扁平苔癬では経過中に約1%ががん化するといわれているため、慎重に経過観察を行うことが大切です。

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