もうこうせいこうしょくひこうしん

毛孔性紅色粃糠疹

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

孔性紅色粃糠疹とは、慢性的に経過する皮膚の炎症性角化症です。毛孔に一致して角化性丘疹が出現し拡大して紅斑局面を形成します。肘頭部や膝蓋部に好発しますが、全身に拡がり、紅皮症を呈する場合もあります。毛孔のない手掌や足底にも、びまん性の角化性紅斑を認めるのが特徴です。

原因

2018年現在、本症の原因は不明です。何らかの抗原(細菌、ウイルス、自己の抗原)が引き金となり、異常な免疫反応が皮膚で引き起こされ生じると推測されています。

症状

肘頭、膝蓋にみられる毛孔性の角化性丘疹を伴う紅斑局面、手掌、足底のびまん性の角化性紅斑が特徴的な皮膚所見です。角化性の紅斑局面が体幹に見られ、時に全身に拡大し紅皮症を呈することもあります。

本症は発症時期と臨床的特徴から5型に分類されます。1型は古典的な成人発症型で、本症の約55%を占めます。急速に発症し紅皮症を呈することが多く、3年以内に自然軽快することが多いです。

2型は非定型の成人発症型で魚鱗癬用の皮疹や脱毛を呈することがあり、症状が長期化しやすいです。全体の5%以下と考えられています。

3型は古典的な若年発症型で、全症例の10%程度です。臨床的には1型に似ており、発症年齢は2歳までが多く、多くは1年以内に自然軽快します。

4型は限局型の若年発症型で、全体の約25%を占めます。思春期に発症し、皮疹は膝頭と膝蓋に限局します。

5型は全体の5%以下で、生後数年に発症し慢性化します。CARD14という遺伝子の変異が原因と考えられるため、家族性の場合もあります。

最近ではHIVに関連した本症もあり、それを6型として追加すべきという意見もあります。

検査・診断

皮膚生検を行い、臨床診断と病理診断を総合し、確定診断します。本症では特徴的な病理所見(不規則な表皮肥厚や顆粒層の肥厚、水平方向・垂直方向での正常角化や不全角化の交互配列(チェッカーボードパターン)、毛孔の拡大や角栓形成、真皮上層の血管周囲性にリンパ球中心の細胞浸潤など)があり、診断の手助けとなります。

治療

治療は症状に応じて、薬物療法や紫外線療法を行います。軽症例では活性型ビタミンD3軟膏やステロイド軟膏の外用を行います。中等症から重症例ではビタミンA類似物質の内服が第1選択と考えられおり、その他にも免疫抑制剤の内服や紫外線療法(ナローバンド)などが検討されます。

最近では難治な症例に対し、乾癬において有効とされる生物学的製剤も奏功するという海外の報告もあります。

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