とうにょうびょうおうはんふしゅ

糖尿病黄斑浮腫

最終更新日
2021年10月07日
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2021/10/07
掲載しました。

概要

糖尿病黄斑浮腫(とうにょうびょうおうはんふしゅ)は、血糖値が高い状態が続く糖尿病の代表的な合併症の1つである“糖尿病網膜症”の合併症です。網膜の黄斑と呼ばれる部分に浮腫が生じ、視力障害を引き起こします。黄斑は視力に関係する細胞が集中する重要な部分であることから、糖尿病黄斑浮腫が続くと視力の低下はさらに深刻になり、回復が難しくなる場合もあります。

糖尿病網膜症は糖尿病の三大合併症の1つで、糖尿病患者の15~23%が糖尿病網膜症を発症するともいわれています。糖尿病網膜症は徐々に進行する病気ですが、このうちどの段階においても糖尿病黄斑浮腫を合併することがあります。

原因

糖尿病黄斑浮腫は、糖尿病によって血糖値が高い状態が続き、細い血管が障害されることによって網膜の黄斑部に血液成分が漏れ出ることで起こります。また糖尿病黄斑浮腫がみられる眼内では、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)と呼ばれる物質の濃度が高まっていることが分かっており、糖尿病黄斑浮腫の発症に関わっているといわれています。

症状

糖尿病黄斑浮腫の症状には、ものがかすんで見えるいわゆる“かすみ目”のほか、ものが歪んで見える、色の濃淡や明暗のはっきりしないものが見えにくくなる、視力の低下などがあります。これらの症状が、視野の真ん中に現れやすいのが特徴です。

検査・診断

糖尿病黄斑浮腫は、糖尿病網膜症の検査の中で発見されることがあります。この検査には視力検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査などがあります。糖尿病黄斑浮腫の検査としてもっとも効果的なのは光干渉断層計(OCT)によるもので、体に負担をかけずに眼底の三次元の画像を得ることができます。黄斑浮腫が生じていても浮腫の部位や範囲によっては視力低下を引き起こさないため、一般的には“視力を脅かす黄斑浮腫”と判断された場合に治療が行われることがあります。これは眼底検査の所見などに基づき、浮腫と黄斑の中心(中心窩)の位置関係から判断されます。

治療

糖尿病黄斑浮腫の治療には、薬物治療と外科治療があります。治療方法は糖尿病黄斑浮腫の病態(血液成分の漏れ出し方)や黄斑浮腫の範囲などによって選択され、複数の治療を組み合わせることもあります。

薬物治療

糖尿病黄斑浮腫の薬物治療では、主に抗VEGF薬とステロイド薬の注射薬が使われます。

抗VEGF薬は糖尿病黄斑浮腫に関わるVEGFと呼ばれる物質のはたらきを抑える薬で、血管からの血液や血液成分の漏れを抑える効果があります。即効性があり、発症早期から使用可能な利点があり、黄斑浮腫が黄斑の中心部分にかかる場合には第一選択となります。ステロイド薬は目の炎症を抑えて水分を漏れにくくする効果があり、抗VEGF薬が登場する前から使われ、硝子体注射もしくはテノン嚢下注射により投与されます。

外科治療

糖尿病黄斑浮腫の外科治療にはレーザー光凝固術と硝子体手術があります。

レーザー光凝固術は血液成分が漏れ出ている箇所をレーザーで焼き固める治療で、漏出が一部分に限局する糖尿病黄斑浮腫(局所性黄斑浮腫)では第一選択となる治療です。

硝子体手術は主に黄斑部に牽引がかかることにより黄斑浮腫が発症している場合に施行される治療法です。

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