正常な細胞を移植する抗がん剤+造血幹細胞移植
再発後の治療の選択肢のひとつで、1990年代以降に確立してきた治療法です。
治療法確立
1990年代以降
患者さん自身の造血幹細胞*をあらかじめ取り出しておき、抗がん剤による治療でがん細胞を減らしてから体に戻します(移植)。
* 造血幹細胞:骨髄(骨の中心部にあり血液の細胞をつくる組織)の中で血球をつくり出すもとになっている細胞
抗がん剤+造血幹細胞移植とは?
最初の治療とは違う種類の抗がん剤によってがん細胞を減らした後、大量の抗がん剤を投与してさらにがん細胞を減らします。正常な血液を作る機能もダメージを受けるため、あらかじめ患者さん自身の正常な造血幹細胞を取り出しておき、治療後に戻して(移植)、機能を回復させます。
自家造血幹細胞移植併用大量化学療法と呼ばれます。
ポイント
- がん細胞の増殖を阻止してがん細胞を減らす
- がん細胞だけではなく、血液を作る機能もダメージを受ける
- 治療前に取り出しておいた自分の造血幹細胞を戻して、血液を作る機能を回復させる
- 治療を受けるには体力や内臓機能などの条件がある
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移植対応施設を探す抗がん剤+造血幹細胞移植の副作用や注意点
抗がん剤は、がん細胞だけではなく正常な細胞にもダメージを与えるため、さまざまな副作用が起こる場合があります。抗がん剤の種類や組み合わせによっても現れる副作用は異なります。また、大量の抗がん剤を併用することで、より強い副作用が起こります。
抗がん剤治療によって現れることのある副作用としては、脱毛、吐き気や嘔吐、食欲不振、倦怠感などがあります。また、造血幹細胞移植を実施した後も、再発や感染症などの合併症に注意が必要となります。
治療を受けることができる方
日本では、最初の治療の効果が得られない場合(難治性)または再発した場合に、救援化学療法、CAR T細胞療法、造血幹細胞移植が治療の主な選択肢となります(2024年3月現在)。患者さんの体の状態やこれまでに受けた治療など、さまざまな条件を考慮して治療を受けられるか判断されます。必要に応じて主治医の先生に治療法について相談してみましょう。