取れない疲れ、気分の落ち込み… その不調は
甲状腺機能低下症 かも?
疲れやすい、気分が落ち込む、記憶力が悪くなった、喉の辺りに違和感がある……。このような異変を一時的なものだろうと放置していませんか。しかし、そうした症状は甲状腺機能低下症という病気によって起こっているかもしれません。甲状腺機能低下症の症状や原因、検査と治療の流れをまとめました。
監修:一般社団法人 日本甲状腺学会 学術(内科)/伊藤病院 内科部長 渡邊 奈津子 先生
提供:あすか製薬株式会社

ただの不調と間違いやすい

患者さんの9割以上が女性*1

自覚症状がほとんどないことも

よくある症状例
甲状腺機能低下症はさまざまな症状が全身に現れることから、その症状がストレスや年齢が原因なのか、病気からくるものなのかをご自身で判断するのは難しいといえるでしょう。
当てはまる症状がないか確認してみましょう。もし、当てはまる症状や気になる症状がある場合には、病院への受診をおすすめします。
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症状~見逃されやすい症状や間違いやすい病気~

甲状腺機能低下症では、無気力や疲労感、動作が遅くなる、記憶力の低下といった症状が現れます。こういった症状はストレスや年齢を理由に見過ごしてしまいがちです。しかし、甲状腺の病気によって引き起こされている可能性があるため、そのままにせずに検査を受けることが大切です。
どういった症状がある場合に甲状腺機能低下症を疑えばよいか詳しくみていきましょう。
POINT
甲状腺機能低下症の症状と特徴
・うつ症状や疲労感、記憶力の低下、甲状腺の腫れなど症状は多岐にわたる
・月経周期が長い、出血量が多いという月経異常も甲状腺機能低下症を疑う症状の1つ
・体調不良やストレス、加齢などを理由に見過ごされやすい
甲状腺機能低下症と間違いやすい病気/合併症
・うつ病や認知症、更年期障害と間違われやすい
・甲状腺機能低下症によって肝機能障害や心不全などの合併症を引き起こすことも
治療せずにいるリスク
・不妊症や、流産・早産のリスクになる可能性がある
・妊娠前から治療を行い、妊娠や出産に関するリスクを取り除くことが重要
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原因とメカニズム~甲状腺ホルモンが不足する理由~

甲状腺機能低下症は、体の代謝を上げる甲状腺ホルモンが不足することで起こる病気です。この原因は甲状腺自体に異常がある場合と、ほかの部分に異常がある場合に大きく分けられますが、甲状腺に慢性的な炎症が起こる“橋本病(慢性甲状腺炎)”という病気によって甲状腺自体に異常が起こることがほとんどです。ただし、橋本病の患者さん全員が甲状腺機能低下症になるわけではありません。その発症メカニズムとそれぞれの原因について詳しく解説します。
POINT
甲状腺ホルモンの役割と仕組み
・新陳代謝を促進する役割を持ち、妊娠や正常な発達、成長などにも必要不可欠
・脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンによって一定のバランスが保たれている
甲状腺ホルモンのバランスが崩れることで発症する病気
・甲状腺ホルモンが不足すると“甲状腺機能低下症”に
・甲状腺ホルモンの産生が過剰になると“甲状腺機能亢進症”に
甲状腺機能低下症はどこに異常があるかによって2つに分類される
・原発性甲状腺機能低下症と中枢性甲状腺機能低下症の2つに大別され、ほとんどは原発性
・原発性甲状腺機能低下症のほとんどは成人女性に多くみられる橋本病が原因となる
・中枢性甲状腺機能低下症は脳の病気やけがなどが原因となる
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検査と治療~血液検査の項目や治療方針について~

甲状腺機能低下症は、血液検査で甲状腺ホルモン(FT3・FT4)と甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値を調べることで診断できます。治療方針は何が原因かによっても変わりますが、原則的には不足している甲状腺ホルモンを補う治療が行われます。また、妊娠を希望する方や妊娠中の方の場合、流産や早産、妊娠合併症を予防するため、より慎重に甲状腺機能をコントロールする必要があります。甲状腺機能低下症の検査内容から治療、経過までの流れを詳しくご紹介します。
POINT
甲状腺機能低下症を疑った際に行う診察や検査の内容
・問診、触診、視診で自覚症状や甲状腺の腫れを調べる
・血液検査で甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの値を調べる
治療の基本は甲状腺ホルモン剤の内服による薬物療法
・症状の程度やライフサイクルに応じて調整
・一時的な機能低下の場合は経過観察になることも
・妊娠希望者は妊娠前から治療を行う
病気の経過と注意点
・甲状腺機能をコントロールできていれば普段どおりの生活が送れる
・薬を自己判断で中止せず、定期的に甲状腺機能の検査を受けることが大事
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甲状腺機能低下症のお悩みQ&A

「何科を受診すればよい?」「日常生活で注意すべきことは?」「妊娠や出産への影響は?」など、甲状腺機能低下症の患者さんが抱える疑問やお悩みについて、Q&A形式でまとめています。
受診を検討されている方や治療に関して不安を感じている方はぜひご活用ください。
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よくある症状例を確認してみましょう
甲状腺機能低下症はさまざまな症状が全身に現れることから、その症状がストレスや年齢が原因なのか、病気からくるものなのかをご自身で判断するのは難しいといえるでしょう。
当てはまる症状がないか確認してみましょう。もし、当てはまる症状や気になる症状がある場合には、病院への受診をおすすめします。
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監修医紹介
伊藤病院 内科 部長
渡邊 奈津子 先生
出典:
*1 一般社団法人 日本内分泌学会(http://www.j-endo.jp/