体調不良や年齢のせいと思い込んでいるその症状が、実は甲状腺機能低下症によって引き起こされている可能性があります。ですから、甲状腺機能低下症を疑う症状が複数当てはまる方は、病院で甲状腺機能の検査を受けることをおすすめします。
具体的な甲状腺機能低下症の症状については、「よくある症状例~甲状腺機能低下を疑う症状について~」をご覧ください。
かかりつけの病院がある場合は、まずはそちらでご相談ください。かかりつけの病院がない場合にはお近くの内科、月経に関する症状があれば産婦人科に受診いただくとよいでしょう。
甲状腺機能低下症では、多様な症状が全身に現れることが知られています。見た目の変化につながる主な症状をご紹介します。
顔やまぶたがむくんで、腫れぼったくなります。また、むくみや代謝の低下に伴い体重が増えることが知られています。
甲状腺(首や喉元)に腫れをきたします。大きく腫れることもあれば、小さくて気付きにくいこともあります。
乾燥肌になったり、髪の毛が薄くなったり、眉毛の外側の毛が抜けたりします。また、爪が皮膚から剥がれ、白っぽくなることもあります。
これらの症状は、甲状腺ホルモンの不足が影響で生じているため、甲状腺機能低下症の治療を行うことで症状の改善が期待できます。そのため、医師の指示の下、しっかりと治療を行うことが重要といえます。ただし、橋本病自体で生じている甲状腺の腫れは、甲状腺ホルモン剤で治療しても通常は変わりません。
ヨウ素(ヨード)の取り過ぎが原因で甲状腺機能低下症になることもあるため、ヨウ素を多く含む昆布・昆布出汁・とろろ昆布・おつまみ昆布といった昆布製品、ヨウ素が豊富な卵などの食べ過ぎには注意しましょう。ただし、極端なヨウ素制限はヨウ素不足を引き起こす場合もあります。全て中止するのではなく、過剰にならないように気を付ければ大丈夫です。
ヨウ素を含む食品を食べ過ぎていないかに加え、サプリメントを飲んでいる方はそちらも併せて過剰に摂取していないかご確認ください。
また、ヨウ素が含まれるうがい薬で毎日うがいをしている方は、ヨウ素の過剰摂取になっていることもあるため控えることをおすすめします。
甲状腺機能低下症が不妊症の一因となっている場合があります。甲状腺機能低下症を治療することで妊娠に至るケースもあるため、妊娠を希望されている方や不妊治療を検討されている方は甲状腺機能の検査を受けることをおすすめします。
甲状腺機能低下症のままですと、流産や早産、帝王切開のリスクになるとともに、妊娠高血圧症候群や胎児の発達障害などにつながることが明らかになっています。しかし、甲状腺ホルモン剤を内服することで、これらのリスクを減らすことが可能です。
妊娠中は特に甲状腺ホルモンの必要量が増えるため、それに合わせて甲状腺ホルモン剤の量を調整する必要があります。専門的な知識を有する医師の指導の下、きちんと治療に取り組みましょう。
出産後は甲状腺ホルモンの変動が起こりやすいため、定期的に検査を受け、適切な治療を受けることが重要です。