東大阪市の医療を支える
市立東大阪医療センター

東大阪市の医療を支える市立東大阪医療センター

機能強化を図り、必要とされる医療を
迅速かつ丁寧に届ける

市立東大阪センターは、地域医療支援病院として指定を受けており、重要な役割の1つが救急医療の提供です。夜間や休日においても地域の受け皿としての役割を果たし、二次救急(入院や手術が必要な中等症から重症の患者さんに対応する救急医療)に限らず患者さんを受け入れています。
2017年には心臓血管外科を新設し、それまで大阪市内の病院に搬送していた大動脈解離などの緊急疾患にも院内で対応できるようになりました。循環器内科との連携も密に行っており、2025年11月からは24時間365日、両科の医師が当直で救急対応にあたり、診断から手術、術後のケアまで一貫して行える体制を整えています。
東大阪の患者さんが大阪市内まで行かずとも、地元で安心して医療を受けられる――。そのために、当センターが果たすべき役割は非常に大きいと感じています。これからも地域の「命のライフライン」として、必要とされる医療を丁寧に提供し続けてまいります。

専門性を生かし強固な連携で
循環器疾患に対応

当センター・心臓血管部門・
心不全部門・不整脈部門について

当センターについて
(循環器内科・心臓血管外科)

外科と内科の垣根を越え、地域医療の完結を目指す

外科と内科の垣根を越え、地域医療の完結を目指す

写真:PIXTA

私たちは、この東大阪という地域において、循環器疾患に悩む患者さんが遠くの病院まで行かなくても、住み慣れた場所で適切な医療を受けられる体制を目指しています。これまで心臓の診療においては、病変部分の治療を行うことが一般的でしたが、時代とともにニーズは変化し、心不全や不整脈など将来的に発症し得る病気の管理も含めた包括的なケアが求められるようになってきました。そこで当センターでは、循環器内科と心臓血管外科が一体となり、「心臓血管」「心不全」「不整脈」という3つの柱を軸にした診療体制を整えています。
この3つの部門は独立して存在するのではなく、互いに深く関わり合っています。たとえば、心不全の治療を進める中で不整脈の管理が必要になったり、血管の治療を行うことで心不全が改善したりするなど、1人の患者さんであっても複数の要因が絡み合っていることが珍しくありません。だからこそ、各疾患や治療法に精通した医師がチームとなり、1人の患者さんを多角的な視点で見守ることを大切にしています。

院内外の強固な信頼関係を基盤に、地域の健康を守る

一般的に診療科間の連携においては定期的なカンファレンス(会議)が行われます。もちろん当センターでも情報は共有していますが、私たちは形式的な会議以上に“リアルタイムでの相談”を重視しています。判断を迷う症例があれば、すぐに循環器内科医と心臓血管外科医が顔を合わせて相談し、その場で方針を決定します。心臓の病気は一刻を争うことも多いため、私たちはこのような“フットワークの軽さ”こそが、患者さんの命を守るうえで非常に重要であると考えています。

院内外の強固な信頼関係を基盤に、地域の健康を守る

写真:PIXTA

十分な医療機器や技術を備えているのはもちろんのこと、それ以上に私たちが大切にしているのは、地域の皆さんが決して敷居の高さを感じることなく、安心して頼れる場所であることです。心臓の手術をする・しないにかかわらず、地域の皆さんにとって身近で、何かあったときに頼っていただける存在でありたい――そのような思いで、日々の診療にあたっています。かかりつけの先生方とも密に連携を取りながら、何かあればすぐに当センターで対応し、状態が落ち着いたら再びかかりつけ医の元へお戻りいただくことで、この東大阪という地域全体で患者さんを支えるネットワークの要となれるよう引き続き努めてまいります。

解説医師プロフィール

心臓血管部門

24時間365日の即応体制で、地域の救急医療に貢献する

心臓血管部門では、狭心症や心筋梗塞しんきんこうそく大動脈瘤だいどうみゃくりゅう閉塞性動脈硬化症へいそくせいどうみゃくこうかしょう(足の血管の詰まり)など、血管に関わる幅広い病気に対応しています。当部門の最大の特徴は、「救急患者さんを断らない」という強い姿勢です。緊急手術が必要な患者さんに対し、24時間365日いつでも受け入れる体制を整えています。私たちはどのようなハイリスクな症例であっても、目の前の命を救うために全力を尽くします。

24時間365日の即応体制で、地域の救急医療に貢献する

写真:PIXTA

2025年には、重症心不全や心筋梗塞の患者さんに対し、心臓のポンプ機能を補助する“インペラ(IMPELLA)”という装置も導入しました。これにより、これまで救命が難しかった重篤な状態の患者さんに対しても、より強力な治療を提供できるようになりました。
心筋梗塞などの血管の病気は、時間との勝負です。胸だけでなく、みぞおち、左肩、左腕、顎などに痛みを感じることもあります。糖尿病の方は痛みを感じにくい場合もありますので、特に注意が必要です。もし、“胸の真ん中より左側”に違和感があり、それが5分、10分と続くようであれば、ためらわずに受診してください。早期発見・早期治療が、大切な命と生活を守ることにつながります。

開胸手術から低侵襲治療まで、多様な選択肢の中から個々に合った治療を見出す

手術や治療方針の決定において私たちが大切にしていることは、「もし自分の親だったらどうするか」を常に考え、家族を思うように一人ひとりの患者さんと向き合うことです。全ての症例で手術をすることが正解とは限りません。ご高齢の方や体力が低下している方の場合、手術をしないほうが穏やかに過ごせることもあります。「自分の親なら絶対に手術をすすめる」と思える場合は全力でご提案しますし、そうでないと判断すれば、正直にそのようにお伝えします。胸を開く手術だけでなく、カテーテルによる低侵襲ていしんしゅうな(体への負担が少ない)治療選択肢も含め、患者さんの年齢や状態などを総合的に考え、お一人おひとりに適切な選択肢を提示します。

開胸手術から低侵襲治療まで、多様な選択肢の中から個々に合った治療を見出す

また、私たちは「手術をして終わり」ではなく、その後の患者さんの人生にも寄り添い続けたいと考えています。手術を受けられた患者さんには、たとえ経過が順調であっても、年に1回程度は受診していただいています。「治療を受けてよかった」と思っていただけるよう努めていますので、体調面で不安なことがあればいつでもご相談ください。

解説医師プロフィール

心不全部門

住み慣れた自宅へ戻るために――早期リハビリにより身体機能の維持と回復を目指す

住み慣れた自宅へ戻るために――早期リハビリにより身体機能の維持と回復を目指す

現在、高齢化に伴い心不全の患者さんが急増する“心不全パンデミック”が社会的な課題となっています。心不全は一度よくなっても再発しやすく、入退院を繰り返すことが多く徐々に心機能が低下していく病気です。当センターでは、患者さんが“住み慣れた自宅に戻ること”を目標に、基本的に入院いただいた当日からリハビリテーションを開始しています。ベッド上で積極的に体を動かしていただくことで、筋力低下や寝たきりのリスク低減につながります。心臓のリハビリについては、専門の“心臓リハビリチーム”が担当し、よりよい回復をサポートしています。

独自の“心不全ノート”を作成し、患者さんの生活に寄り添ったサポートを実施

心不全の管理において私たちが特に力を入れているのが、多職種連携によるサポート体制です。医師だけでなく、薬剤師や看護師、管理栄養士、リハビリスタッフなどが知恵を出し合い、当センターオリジナルの『心不全ノート』を作成しました。心不全ノートには、心不全の基本的な知識のほか、実際の錠剤の写真や薬効、ご自宅でリハビリ動画が見られるQRコードも掲載しています。また、「減塩でもごはんを美味しく食べてほしい」という思いから、おすすめレシピも盛り込みました。

独自の“心不全ノート”を作成し、患者さんの生活に寄り添ったサポートを実施

併せて、体重や血圧などを記録できる『自己管理用紙』も作成しています。これをご活用いただくことで再入院を防ぐことはもちろん、万が一体調が悪くなった際の受診の目安も視覚的に分かりやすくしています。「当てはまったらすぐに受診する」という判断がしやすくなり、早期の対応が可能になります。
特に、体重の変化には気を付けていただきたいと思います。目標体重より2kg以上体重が増加している場合は、心不全が悪化し、体に水がたまっている可能性があります。早めにご相談いただければ、入院せず薬の調整のみで済むこともありますので、変化を感じたら、すぐにかかりつけ医または当センターにご相談いただければと思います。

かかりつけ医との密接な連携により、切れ目のない医療を提供

かかりつけ医との密接な連携により、切れ目のない医療を提供

写真:PIXTA

当センターでの治療が落ち着いた後は、地域のかかりつけの先生に日常的な診療をお願いしていますが、当センターとのつながりが途切れることはありません。先述した『心不全ノート』と『自己管理用紙』は、当センターとかかりつけ医をつなぐ、いわば“架け橋”の役割を果たします。受診の際にこれらを提示いただくことで、日々の変化や治療経過を双方の医師が共有し、一貫した方針で診療を続けることが可能になります。地域の先生方とは定期的に勉強会や情報共有を行い、常に同じ目線で治療にあたれるよう連携を深めてきました。先生方との連携は非常に密接かつスムーズですので、ご安心いただければと思います。

解説医師プロフィール
石津 宜丸 先生
石津 宜丸先生

不整脈部門

頻脈から徐脈まで幅広く対応――将来の“心不全予防”を見据えた診療を実施

不整脈部門では、脈が速くなる頻脈や、遅くなる徐脈など幅広い不整脈の治療に対応しています。近年、特に注目されているのが“心房細動”という不整脈です。

頻脈から徐脈まで幅広く対応――将来の“心不全予防”を見据えた診療を実施

イラスト:PIXTA

心房細動とは、本来規則正しく拍動すべき心臓が、電気信号の乱れによって小刻みに震え、全身にうまく血液を送り出せなくなる病気をいいます。血栓(血の塊)が生じやすくなり、脳梗塞を引き起こす原因になるほか、心臓が不規則に動くことで負担が大きくなり、心不全を引き起こす要因にもなります。実際、当センターのデータでも心不全患者さんの約半数が心房細動を合併しており、その割合は年々増加しています。そのため、私たちは不整脈の治療を、単なるリズムの調整や脳梗塞予防だけでなく、“将来の心不全を予防するための治療”としても重要視しています。

心房細動の根治が目指せる“カテーテルアブレーション”に注力

心房細動の治療には、薬物療法とカテーテル治療(カテーテルアブレーション)があります。カテーテルアブレーションとは、足の付け根などの血管から細い管(カテーテル)を心臓まで通し、不整脈の原因となっている部分を焼灼する治療です。

心房細動の根治が目指せる“カテーテルアブレーション”に注力

イラスト:PIXTA

薬物療法は症状を抑える対症療法であるのに対し、カテーテルアブレーションは不整脈の原因そのものを取り除くため、根治を目指せるのが大きな特徴です。当センターでは特に、このカテーテルアブレーションに力を入れており、年に100例以上*の実績を重ねてきました。
患者さんの年齢や生活スタイル、そして「手術は怖い」というお気持ちにも寄り添いながらよりよい治療をご提案しますので、お困りの際には一度ご相談にいらしていただければと思います。

*心房細動を含む不整脈に対するカテーテルアブレーションの実績……2023年(1~12月)112例、2024年(1~12月)148例

循環器内科ならではの包括的アプローチを実施――胸の症状は一度相談を

徐脈に対するペースメーカー治療においても、患者さんの体への負担を考慮した選択を行っています。従来のペースメーカーは胸の皮膚の下に本体を埋め込みますが、当センターでは心臓の中に直接留置するカプセル型のリードレスペースメーカーを積極的に採用しています。リード(電線)がないことで、リードのトラブルがなくなるほか、感染リスクが低いことも特徴です
循環器内科では不整脈と関連の深い“睡眠時無呼吸症候群(SAS)”の診療も開始し、心臓だけでなく睡眠の質の改善からもアプローチを行っています。動悸や息切れ、脈の乱れを感じた際は、まずは一度ご相談ください。

解説医師プロフィール
  • 公開日:2026年2月17日
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