富山大学附属病院に勤務していた頃、コロナ禍で内視鏡検査の実施が大きく制限されました。診療のあり方について改めて考える時間が生まれ、「これから自分はどのように医療に関わっていくべきか」と思いを巡らせるなかで浮かんだのが「開業」という選択肢でした。
ちょうどその時期、炎症性腸疾患(IBD)の治療も大きく変わりつつあり、そうした変化も後押しとなりました。以前は入院や総合病院での管理が中心だった治療が、薬剤の進歩によって外来やクリニックでも対応できるようになってきたのです。
こうした変化を背景に、「今なら身近な病気だけでなく、専門的な診療も地域で提供できるのではないか」と考え、2023年、当クリニックを開院しました。
診療で最も大切にしているのは、来院された患者さんに納得して帰っていただくことです。私は、病気が「治る・治らない」だけが診療のゴールではなく、患者さんが状況を理解し、納得して次の行動を選べる状態になることも大切な目標の一つだと考えています。「なぜこの症状が出ているのか」「どのくらい続く可能性があるのか」「何が分かっていて、何がまだ分からないのか」――こうした点を丁寧にお伝えすることで、患者さんがご自身の病気を理解し、向き合うきっかけになると考えています。
また、内視鏡検査では、「思っていたより大変ではなかった」と感じていただけるよう努めています。「苦しい・怖い」という印象から受診をためらい、重大な病気の早期発見の機会を逃してしまう方は少なくありません。苦痛に配慮した手技と共に、少しでもリラックスしていただけるよう、検査前のスタッフの声かけや院内の雰囲気づくりも大切にしています。
苦痛に配慮した内視鏡検査
院長は日本消化器病学会の消化器病専門医・日本消化器内視鏡学会の消化器内視鏡専門医として、内視鏡検査と治療に携わってきました。胃の検査は経鼻内視鏡を基本とし、嘔吐反射が起こりにくい方法を採用しています。大腸の検査では炭酸ガス送気を用い、検査後の腹部の張りに配慮しています。また、いずれの検査も、状態に応じて鎮静薬を使用することが可能です。
大腸ポリープの切除まで対応
大腸内視鏡検査中にポリープが見つかった場合、状態に応じてその場で切除まで対応しています。何度も来院いただく手間をできるだけ省き、通院の負担軽減につなげています。ポリープの大きさや出血リスクを考慮し、当クリニックでの対応が難しい場合は、ご希望に応じて近隣の病院をご紹介します。
内科診療と生活習慣病管理にも対応
消化器だけでなく、内科や生活習慣病にも対応できる体制を整えています。院長が消化器内科と一般内科を担当し、副院長の南條 和美医師が生活習慣病などの診療を担当します。胃腸の症状のみならず、地域のかかりつけ医として日常的な健康管理にも対応しています。
大腸がんの大半は、腺腫性ポリープががん化して発生すると考えられています。このポリープを小さい良性の段階で切除することは、大腸がん予防の観点で重要です。当クリニックでは大腸内視鏡検査中にポリープが見つかった場合、状態を評価したうえで、必要があればその場で切除を行います。
慢性的な血便や腹痛、下痢を繰り返す指定難病の1つです。院長は富山大学附属病院時代からIBD診療に携わってきました。当クリニックでも潰瘍性大腸炎やクローン病の診療を行っており、薬物療法と内視鏡評価を組み合わせながら外来での継続管理に取り組んでいます。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は胃がん発症の重要なリスク因子とされています。当クリニックでは保険診療による1次・2次除菌に加え、除菌が難しい場合には薬剤感受性を確認したうえで3次・4次除菌(自費診療、詳細は後述*)にも対応しています。
胃酸が食道へ逆流することで胸やけや喉の違和感などが起こる病気です。有病率は10%程度とされ、比較的よくみられます。当クリニックでは症状や内視鏡所見を基に評価し、薬物療法と生活習慣の改善を組み合わせて治療を行います。
みぞおちの痛みや胃もたれ、食欲不振などが主な症状で、ピロリ菌感染や鎮痛薬の使用が原因となることがあります。胃の内視鏡検査で潰瘍の状態を確認し、胃がんとの鑑別を行ったうえで治療方針を検討します。必要に応じてピロリ菌の除菌治療を行います。
便に血が混じる症状は、痔のほか大腸がんや潰瘍性大腸炎などさまざまな原因で起こります。当クリニックでは問診で症状の経過を確認したうえで、必要に応じて大腸内視鏡検査を行い原因を精査します。原因をしっかり確認し、適切な治療につなげることを大切にしています。
*ピロリ菌除菌(3次・4次)
■治療内容
保険診療で認められている2回の治療法で除菌できなかった方を対象に除菌治療を行います。胃の内視鏡検査で採取したピロリ菌を培養し、患者さんが感染しているピロリ菌がどの抗菌薬に弱いかを調べる検査(薬剤感受性検査)を行ったうえで、治療薬の組み合わせなどを判断し、内服薬を処方します。
■費用(いずれも税込)
・診察料(初回):10,000円
・診察料(2回目以降):5,000円/回(主に5回分程度かかります)
・胃の内視鏡検査+ピロリ菌培養+薬剤感受性検査:40,000円
・除菌治療薬:処方料5,000円、薬剤料(薬局にて別途支払い)7,000~10,000円程度
・尿素呼気試験:6,000円
・便中ピロリ抗原検査:3,000円
(検査内容や治療内容により費用は変動する場合があります)
■治療回数/期間
・回数:6回程度
・期間:15週程度
■服薬方法について
・ボノプラザン:1日2回/朝・夕食後に20mgずつ、7日間服用
・アモキシシリン:1日2回/朝・夕食後に500mgずつ、7日間服用
または 1日4回/朝・昼・夕食後・眠前に500mgずつ、14日間服用
・クラリスロマイシン:1日2回/朝・夕食後に200mgずつ、7日間服用
・メトロニダゾール:1日2回/朝・夕食後に250mgずつ、7日間服用
・シタフロキサシン:1日2回/朝・夕食後に100mgずつ、7日間服用
・ミノサイクリン:1日2回/朝・夕食後に100mgずつ、7日間服用
■リスク・副作用
・ボノプラザンでみられる主な副作用:下痢、便秘、肝機能障害、発疹、ショック、アナフィラキシーなど
・アモキシシリンでみられる主な副作用:下痢、腹痛、発疹、肝障害、顆粒球減少(細菌などから体を守る白血球の一種が減少した状態)、血小板減少、大腸炎など
・クラリスロマイシンでみられる主な副作用:下痢、腹痛、嘔吐、味覚異常、肝機能障害、QT延長(心臓を動かす電気信号に異常が生じた状態) 、幻覚、意識障害、アナフィラキシーなど
・メトロニダゾールでみられる主な副作用:下痢、食欲不振、胃不快感、口内の苦味、発疹、末梢神経障害、痙攣(けいれん)、脳症、意識障害など
・シタフロキサシンでみられる主な副作用:下痢、軟便、腹痛、発疹、頭痛、めまい、肝機能障害、白血球数減少など
・ミノサイクリンでみられる主な副作用:めまい、吐き気、腹痛、食欲不振、ショック、重症薬疹、肝機能障害、皮膚の色素沈着など
※ピロリ菌の3次・4次除菌は保険適用外の自由診療です。
※日本ヘリコバクター学会のガイドライン(2024改訂版)では、1~3次除菌までの治療の流れが示されており(ボノプラザン、アモキシシリン、シタフロキサシンの3剤併用を提案)、2次除菌不成功例に対する追加治療として3次除菌が位置づけられています。一方で、4次除菌については統一された治療法は確立されていません。
※治療を行っても必ずしも除菌が成功するとは限りません。
■未承認医薬品(承認薬の適応外使用)に関するご説明
1.ボノプラザンについて
本剤は国内で承認された医薬品です。ただし、ピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用は適応外です。
・国内承認薬の有無:ボノプラザンを有効成分とする国内承認医薬品は複数あります。ただし、国内で承認されているピロリ菌除菌療法は1次・2次除菌までであり、3次・4次除菌を目的とした使用については承認されていません。
・入手経路:国内で承認・流通している医薬品を、医薬品卸業者より購入しています。
・諸外国の安全性などに係る情報:本剤はピロリ菌除菌薬(他剤と併用)としてFDAで承認されていますが、当クリニックでの使用法は承認されたものとは異なるため、重大な副作用が明らかになっていない可能性があります。また、本剤は胃酸分泌抑制薬としても承認されており、一般的な副作用として下痢、便秘、腹部不快感、肝機能異常などが報告されています。
・本剤に関連して生じた健康被害については、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
2.アモキシシリンについて
本剤は国内で承認された抗菌薬です。ただし、ピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用は適応外です。
・国内承認薬の有無:アモキシシリンを有効成分とする国内承認医薬品は複数あります。ただし、国内で承認されているピロリ菌除菌療法は1次・2次除菌までであり、3次・4次除菌を目的とした使用については承認されていません。
・入手経路:国内で承認・流通している医薬品を、医薬品卸業者より購入しています。
・諸外国の安全性などに係る情報:本剤はピロリ菌除菌薬(他剤と併用)としてFDAで承認された薬ですが、当クリニックでの使用法は承認されたものとは異なるため、重大な副作用が明らかになっていない可能性があります。承認の範囲内で使用した場合の一般的な副作用として、発疹、下痢、吐き気などが報告されています。また、重篤な副作用としてアナフィラキシーショック、皮膚粘膜眼症候群などが報告されています。・本剤に関連して生じた健康被害については、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
3.クラリスロマイシンについて
本剤は国内で承認された抗菌薬です。ただし、ピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用は適応外です。
・国内承認薬の有無:クラリスロマイシンを有効成分とする国内承認医薬品は複数あります。ただし、国内で承認されているピロリ菌3次・4次除菌を目的とした使用については承認されていません。・入手経路:国内で承認・流通している医薬品を、医薬品卸業者より購入しています。
・諸外国の安全性などに係る情報:本剤はピロリ菌除菌薬(他剤と併用)としてFDAで承認された薬ですが、当クリニックでの使用法は承認されたものとは異なるため、重大な副作用が明らかになっていない可能性があります。承認の範囲内で使用した場合の一般的な副作用として、下痢、腹痛、嘔吐、味覚異常などが報告されています。また、重篤な副作用として肝機能障害、QT延長、幻覚、意識障害、アナフィラキシーなどが報告されています。
・本剤に関連して生じた健康被害については、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
4.メトロニダゾールについて
本剤は国内で承認された抗菌薬です。ただし、ピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用は適応外です。
・国内承認薬の有無:メトロニダゾールを有効成分とする国内承認医薬品は複数あります。ただし、ピロリ菌3次・4次除菌を目的とした使用については承認されていません。
・入手経路:国内で承認・流通している医薬品を、医薬品卸業者より購入しています。
・諸外国の安全性などに係る情報:本剤はFDAで承認された薬ですが、ピロリ菌除菌薬としては未承認であり、当クリニックでの使用法は承認されたものとは異なります。このため、重大な副作用が明らかになっていない可能性があります。承認の範囲内で使用した場合の一般的な副作用として、下痢、食欲不振、胃不快感、口内の苦味、発疹などが報告されています。また、重篤な副作用として末梢神経障害、痙攣(けいれん)、脳症、意識障害などが報告されています。・本剤に関連して生じた健康被害については、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
5.シタフロキサシンについて
本剤は国内で承認された抗菌薬です。ただし、ピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用は適応外です。
・国内承認薬の有無:シタフロキサシンを有効成分とする国内承認医薬品はあります。ただし、ピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用については承認されていません。
・入手経路:国内で承認・流通している医薬品を、医薬品卸業者より購入しています。
・諸外国の安全性などに係る情報:諸外国でもピロリ菌の3次・4次除菌薬として承認されていないため、重大な副作用が明らかになっていない可能性があります。なお、本剤はフルオロキノロン系抗菌薬に分類されます。海外では同系統薬の副作用として腱障害、末梢神経障害、中枢神経系症状、QT延長などの副作用が報告されています。
・本剤に関連して生じた健康被害については、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
6.ミノサイクリンについて
本剤は国内で承認された抗菌薬です。ただし、ピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用は適応外です。
・国内承認薬の有無:ミノサイクリンを有効成分とする国内承認医薬品は複数あります。ただし、本治療であるピロリ菌の3次・4次除菌を目的とした使用については承認されていません。
・入手経路:国内で承認・流通している医薬品を、医薬品卸業者より購入しています。
・諸外国の安全性などに係る情報:本剤はFDAで承認された薬ですが、ピロリ菌除菌薬としては未承認であり、当クリニックでの使用法は承認されたものとは異なります。このため、重大な副作用が明らかになっていない可能性があります。承認の範囲内で使用した場合の一般的な副作用として、めまい、吐き気、腹痛、食欲不振、ショック、重症薬疹、肝機能障害、皮膚の色素沈着などが報告されています。
・本剤に関連して生じた健康被害については、医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。
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※本記事は 2026年5月 時点のものです。