インタビュー

糖尿病は治る病気? 治らない病気?

糖尿病は治る病気? 治らない病気?
矢島 賢 先生

北多摩西部保健医療圏糖尿病医療連携推進協議会 会長、国家公務員共済組合連合会立川病院 内科医長

矢島 賢 先生

貴田岡 正史 先生

医療法人社団 明芳会 イムス三芳総合病院 内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター センター長

貴田岡 正史 先生

菅野 一男 先生

かんの内科 院長

菅野 一男 先生

この記事の最終更新は2015年03月20日です。

厳しい言葉に感じるかもしれませんが、今のところ糖尿病は1型でも2型でも基本的に治らない病気と考えましょう。現在では糖尿病治療は進歩し、血糖値をコントロールすることで、合併症や糖尿病自体の悪化を防ぐことはできます。しかし、改善したことを治ったと思い、まったく医療機関に行かなくていいと考えてはいけません。

医療機関にきちんと通い、薬を続け、生活習慣の改善と保持を続ける必要があるのは、良好な血糖コントロールを維持するためです。このうち、薬はやめることができることがあります。しかし「その後生活習慣を改善前に戻し、まったく病院に来なくても良い、血液検査をしなくても良い」という状態までたどり着くことは、極めて困難です。その意味で、糖尿病は現在の医療では治らない病気と言えるのです。

糖尿病は膵臓のインスリンを分泌するβ細胞が破綻することによって起こるとされています。この状態に至るまでに、体は様々なダメージを受けていて、一度破綻してしまったβ細胞が復活することは難しくなっています。従って、生活習慣の改善で血糖値が改善したとしても、また同じ生活習慣に戻ってしまえば悪くなってしまいます。

もちろん、きちんと生活習慣の改善に成功し、β細胞に余力があれば薬をやめることができることはありますし、それを目指すべきです。そのような状態は「治った」と言えるように思えますが、やはりβ細胞が普通の方より弱った状態であることに変わりはなく、再度悪化することがないか、医療機関で定期的に血液検査をする必要があります。

今後、iPS細胞などによる再生医療によって、膵臓を作ることが可能になったり、その他の画期的な治療法が開発されることはありえます。壊れてしまったβ細胞を復活したり、代償したりすることができれば、「糖尿病は治る病気」と言える日がくるかもしれません。

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