インタビュー

ぶどう膜炎の初期症状と再発予防とは?

ぶどう膜炎の初期症状と再発予防とは?
宮永 将 先生

にしこく眼科 院長、東京医科歯科大学 臨床准教授、宮田眼科東京 ぶどう膜炎担当医

宮永 将 先生

この記事の最終更新は2016年03月14日です。

ぶどう膜炎は、悪化すると失明の危険性もあります。完治しにくい病気であるため、炎症を抑え、合併症を起こさないようにすることが重要です。東京都立広尾病院眼科医長の宮永将先生に、ぶどう膜炎の初期症状と再発予防についてうかがいます。

ぶどう膜で起きた炎症が前房や硝子体の中に及び細胞浸潤や混濁が起きると、視界がかすんで見える霧視を感じたり、黒い物が飛んで見える飛蚊症が生じます。霧視や飛蚊症はぶどう膜炎の初期症状といっていいでしょう。これらの症状は、「初期症状」とはいえ原因疾患によっては発症から1週間以内に現れる場合もありますし、年単位で徐々に現れる場合もあります。気になる症状があれば、まずはお近くの眼科を受診しましょう。

コンタクトレンズを使用することによってぶどう膜炎が発症することはありませんが、治療の際にはステロイドの点眼薬を使うことが多いため、薬の作用によって感染症のリスクが高くなります。コンタクトレンズを目に入れる、取り外すという行為によっても感染症が起こりやすくなるため、ステロイド点眼薬を使用している間はコンタクトレンズの使用を中止していただくようにしています。

通院の頻度は、患者さんそれぞれの症状によって異なります。いま現在、炎症が強くて抑える治療が必要な方は1週間に1回程度、そこから少しおさまった方は数週間に1回程度、というように、治療の経過とともに通院の頻度を変えるのは一般の疾患と同じです。

ただし、「完治」が難しいため、症状がおさまった方でも3ヶ月に1回程度の通院をしている方がほとんどです。ぶどう膜炎の炎症は、自覚症状がなくても起きていることがあるからです。機械を使って眼球を観察したり、眼圧の検査を行うことによって炎症を初期のうちに発見して、早く治療を開始することができます。症状がおさまった方の再発を予防するためにも、定期的な受診をおすすめします。

いまだ研究段階ではありますが、本当の発症原因がわかっていないサルコイドーシスにおいて、ニキビを起こすアクネ菌感染との関連が研究されています。また、ベーチェット病においては口腔内の細菌感染との関連が研究されています。いずれも、それが直接的な原因となっていることはありませんが、トリガーになって発症するのではないかと考えられています。

 

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