院長インタビュー

地域密着型トータル医療を標榜する 熱海所記念病院の取り組みとは

地域密着型トータル医療を標榜する 熱海所記念病院の取り組みとは
金井 洋 先生

医療法人伊豆七海会 熱海所記念病院 院長

金井 洋 先生

目次
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この記事の最終更新は2018年08月09日です。

静岡県熱海市に位置する医療法人伊豆七海会 熱海所記念病院は、1984年に脳神経外科を主軸とした急性期病院として設立されました。2018年現在は、なかでもリハビリテーションに注力しつつ、急性期・回復期医療に加え、療養型の「熱海 海の見える病院」も展開する病院として、地域を支えています。

院長の金井洋先生に、地域の方が安心して治療を受けられることを目指す熱海所記念病院の特徴や取り組み、今後の目標についてお話を伺いました。

熱海所記念病院ご提供

熱海所記念病院はもともと、地域密着型の急性期医療を診る病院として誕生しました。設立当時から2018年現在まで数多くの救急車を受け入れており、特に外科、脳神経外科、整形外科ではいつでも緊急の手術ができる体制を整えています。そして、より専門的で高度な医療の提供ができるように新たな医療機器の導入も進めています。

当院の脳神経外科では、定位放射線治療を行うガンマナイフという医療機器を完備しています。定位放射線治療とは病変に対して多方面から放射線を照射する治療法であり、正常な組織への放射線照射を少なくできるというメリットがあります。

そして、2018年7月からはより専門的で高度な放射線治療を提供するため、マスクシステムを導入したガンマナイフでの治療を開始しました。従来のガンマナイフの場合、麻酔を用いて患者さんの頭部にピンを刺し、フレームを固定していました。しかし、マスクシステムを導入したガンマナイフ治療では顔にマスクを被せるだけで頭部にフレームを固定する必要はなく、従来のガンマナイフ治療よりも心身共に患者さんの負担軽減が期待できます。

熱海所記念病院ご提供

2017年の段階で、熱海市の高齢化率*は45%を超えています。日本全体の高齢化率は、2016年時点で27.3%、2065年には約38%台になると推測されています。つまり、熱海市は日本全体の人口構成の50年ほど先を進んでいるといえます。

これほど高い高齢化率の熱海市では急性期医療だけでなく、高齢者に対応した医療の提供が必須であり、当院でも急性期医療と共に回復期や地域包括ケア、リハビリ、在宅医療にも取り組んでいます。

*高齢化率…全体の人口のなかで65歳以上の人口が占める割合を表したもの。

当院は2009年に改築工事を実施し、今まですべて急性期病床だった144床のうち48床を回復期病床、4床を地域包括ケア病床に転換し、熱海市の高齢化のニーズに対応できる体制に改変しました。

従来の急性期病床だけの体制から、回復期病床、地域包括病床をつくることで、急性期の治療を終えた患者さんがそのまま当院で回復期の治療を受けられ、地域包括ケア病床にも移れるようになりました。また、2018年現在、院内には6名のケースワーカー*が在籍しており、患者さんが日常生活へスムーズに戻れるようサポートしています。

そして、2016年には当院の近くに同じ戸田中央医科グループである「熱海 海の見える病院」という療養型病床や透析施設を持つ病院も誕生しました。当院で治療を終えた患者さんに対して「海のみえる病院」を紹介するといった連携体制をとりながら、患者さん一人ひとりに適した生活環境の提供ができるように努めています。

*ケースワーカー…身体的・精神的に問題を抱えた方々の相談にのり、日常生活がおくれるように支援をする職員のこと。

熱海市は、高い高齢化率に加え、家族と離れて暮らしている一人暮らしの高齢者割合も高いという特色があり、より実情に即した在宅医療の提供が求められています。そのため、当院では在宅医療を実施している近隣のクリニックと密に連携し、在宅医療を受けている患者さんに急性期医療が必要となった場合にはいつでも受け入れられる体制を整えています。

このように当院では地域のニーズに応えるべく、慢性期病床を増やし、療養型病床を持つ施設と連携し、そして在宅医療の充実にも尽力しています。そして、これら地域のクリニックとの連携に基づく急性期から在宅医療までの一貫したサポート体制を評価され、タイから保健省の方々が視察に来られたこともあります。

熱海所記念病院ご提供

患者さんが安心してかかれる病院であるためには、患者さんを支える職員一人ひとりにとって誇りを持てる病院であることが重要です。そこで、当院では「働きがいのある明るい病院」を理念の1つとして掲げています。

たとえば、医局は13名(2018年現在)の少人数制であり、診療科同士の垣根がありません。院内の風通しがよく、スタッフ全員で気軽に相談し合える環境です。また、整形外科・脳神経外科では大学と連携しながら専門医資格を取得することが可能です。学会発表や地域勉強会での症例発表など、アカデミックな活動も推奨しています。

臨床面では症例数が豊富であり、急性期から慢性期、その後の患者さんのサポートまで多岐にわたる経験を積むことができます。専門性を磨くだけでなく、どのような局面であっても活躍できる医師の育成に適している病院であると考えています。

回復期リハビリテーション病棟
熱海所記念病院ご提供

熱海所記念病院は、「地域の患者さんが人生の最期まで安心してこの地域で暮らせること」を目指しています。専門的で高度な急性期医療を提供するだけでなく、手術後のリハビリや慢性期医療、また患者さんが自宅に戻られてからの在宅医療など、患者さん一人ひとりに適した医療を一貫して提供し続けることが当院の役割です。

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  • 医療法人伊豆七海会 熱海所記念病院 院長

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