あなふぃらくといどしはん

アナフィラクトイド紫斑

最終更新日:
2018年07月02日
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2018/07/02
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概要

アナフィラクトイド紫斑とは、皮膚の紫斑(しはん)(内出血)、腎障害、関節炎などが現れる病気です。アナフィラクトイド紫斑はこれまで、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病アレルギー性紫斑病などの疾患名でも知られていましたが、最近ではIgA血管炎と呼ばれるようになってきました。

アナフィラクトイド紫斑による病状の変化は患者さんによってさまざまであり、それに応じた治療を受けることが大切です。

原因

アナフィラクトイド紫斑は、皮膚や腎臓などの血管を中心にIgA抗体と呼ばれる抗体が沈着し、炎症が惹起されることを原因として発症します。

こうした異常な免疫反応が引き起こされる原因として、さまざまなものが推定されています。たとえば、細菌(溶血性連鎖球菌など)やウイルス水痘帯状疱疹ウイルスやヒトパルボウイルスなど)、リケッチアなどといった病原体に対しての感染症を例に挙げることができます。

そのほか、薬剤や妊娠、悪性腫瘍などと関連してアナフィラクトイド紫斑が引き起こされることもあります。

アナフィラクトイド紫斑は小児、成人いずれにも発症しますが、小児の場合は多くが上気道感染症に続発します。成人の場合には、原因を特定できないことも多いです。

症状

紫斑と呼ばれる赤紫色の点状~数ミリのやや盛り上がるポツポツが多発します。ポツポツは、出血によるため、圧しても消えません。重力がかかりやすい下肢に認めることが圧倒的に多いです。また、泣くことで顔面に症状が出やすくなり、顔面にも赤い出血斑が見られることがあります。

関節の腫れや痛みをみることもあります。痛みのために、運動制限が掛かることもあります。その他、腎障害をみることもあり、注意が必要です。吐き気や嘔吐、腹痛、下血などの症状が出現することもあります。皮膚症状がはっきりせず腹部症状のみが前面に出ることもあります。

検査・診断

皮膚症状や関節症状などの症状から疑われます。腎機能障害を呈することも少なくない病気であるため、血液検査や尿検査が行われます。腎機能障害の重症度や経過によっては、腎臓の組織を一部採取する腎生検が行われることもあります。

他の疾患との鑑別が求められることもあります。また、診断を確定するために、皮膚の一部を採取する皮膚生検が行われます。

治療

重症度に応じて治療方針が決定されます。まずは安静が必要で、入院になることが多いです。軽症の場合には、特別な治療介入をせず、安静のみで改善することもあります。経過中に腎機能障害が増悪しないかどうかを確認するために、適切な検査を受けることも大切です。

安静のみで病状が改善しない場合には、積極的な治療介入が行われます。使用されうる薬剤としては、トラネキサム酸、カルバゾクロム、血液凝固第XIII因子製剤などを例に挙げることができ ます。

腎機能障害が強い場合には、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬、透析による治療が検討されます。その他にも血漿交換療法や免疫グロブリン大量静注療法、扁桃摘出が選択されることもあります。また、経過中に腎機能が増悪することもあるため、継続的なフォローを受け、医師の指示に従うことが大切です。

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