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ウエストナイル熱
ウエストナイル熱とは、ウエストナイルウイルスによる感染症のことです。ウエストナイル熱では脳炎を起こすことがあるだけでなく、根治的な治療方法がないことから、死に至ることもある病気として知られていま...
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ウエストナイル熱うえすとないるねつ

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

ウエストナイル熱とは、ウエストナイルウイルスによる感染症のことです。ウエストナイル熱では脳炎を起こすことがあるだけでなく、根治的な治療方法がないことから、死に至ることもある病気として知られています。ウエストナイル熱は、アフリカウガンダ共和国において1937年に初めて報告されました。感染経路の多くは蚊を媒介とするものですが、ほかにもタカやカラスなどの鳥類を介することもあります。

アフリカから始まったウエストナイル熱ですが、以後全世界へと広がりを見せています。アメリカでは1999年にニューヨーク州で発症例が確認されて以後、全米にも広がりを示すようになりました。

ウエストナイル熱は、このような世界的な感染拡大の流れを受け、日本では感染症法にて4類感染症に指定され、全数把握対象疾患になりました。2005年に1例の報告はありましたが、2017年12月現在それ以外の報告例はなく経過しています。しかし、日本への持ち込みが今後も生じないとは言い切れません。治療薬やワクチンの利用も出来ない病気であるため、今後の動向に対する注意が必要な病気であるといえます。
 

原因

ウエストナイル熱は、ウエストナイルウイルスに感染することで発症します。ウエストナイルウイルスは鳥と蚊の間で感染環が維持されています。ヒト、動物は終宿主です。ウイルスは蚊の体内に潜むことがあり、ウイルスを有する蚊に刺されることでヒトへの感染が成立します。ウマでの流行も報告されています。

媒介者は、イエカ、コガタアカイエカ、アカイエカ、ヤブカなどですが、日本脳炎ウイルスを媒介するコガタアカイエカ、ヤマトヤブカも含まれているため、ウイルスが日本に侵入すると感染が拡大する可能性があるという指摘もあります。

ウエストナイルウイルスはタカやカラスといった鳥類にも感染、病原性を発揮することもあることから、鳥類の死骸には不用意に触れないようにするなど不要なリスクを抱えないようにすることも大切であると注意喚起がなされています。
 

症状

ウエストナイル熱の主な症状は、発熱、頭痛、背部痛、筋肉痛、筋力低下、食欲不振、皮膚発疹などで、1週間ほどで自然回復します。なお倦怠感が生じることもあるのですが、人によっては回復までに時間がかかることもあります。

まれなケースですが。ウエストナイル熱では脳炎や髄膜炎を発症することもあり、致死的な経過を取ることが知られています。ウエストナイルウイルスによる脳炎や髄膜炎を発症すると上記の症状に加えて、麻痺やけいれん、意識障害などを呈するようになります。
ウエストナイルウイルスが体内に入り込んでから発症までの期間は、3〜15日ほどと報告されています。ウイルスに感染したからといって病気を発症するとは限らず、8割ほどの方は症状を発症することなく経過します。

ウエストナイル熱による髄膜炎や脳炎の致死率は高く3 〜15%とされており、一命をとりとめたとしても神経学的な後遺症を残すこともあります。なお脳炎や髄膜炎は、高齢の方のほうが発症リスクも高いことが知られています。
 

検査・診断

ウエストナイル熱の診断では、血液検査や髄液検査のほかRT-PCR法、抗体検査などを実施して、ウエストナイルウイルスに感染しているかどうかを調べます。血液や髄液を用いて、ウエストナイルウイルスを分離することがあります。

またウエストナイルウイルスに特徴的な遺伝子領域をRT-PCR法と呼ばれる方法で同定する方法もあります。またウエストナイルウイルスに感染するとウイルスの排除を目的として、病初期にはIgM抗体、引き続いてIgG抗体が作られます。

こうしたIgM抗体やIgG抗体を検出して、ウイルスに暴露された証拠として利用することもあります。IgG抗体は日本脳炎ウイルスなど他のフラビウイルスに対しても交差反応を示すため、結果の判定には注意が必要です。
 

治療

ウエストナイル熱に対して確立された治療方法はありません。したがって、病気を発症した場合には、症状に併せた対症療法が選択されます。ウエストナイル熱では治療方法が確立していないだけに、予防策を講じることが身を守ることになりますが、ワクチンによる予防接種もこれまでのところ利用可能なものがありません。

ウエストナイルウイルスは蚊を媒介者として広がる病気ですので、蚊に刺されない対策を取ることが大切な予防策となります。 日本においては、輸血用血液の安全性確保のため、米国等から一か月以内に帰国した方が献血をされる際に、ウエストナイル熱に関連した症状の有無などについて健康状態を十分に確認し採血を行っています。