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ファイファー症候群
ファイファー症候群とは、頭蓋骨や顔面骨の縫合が早期に癒合し、頭蓋や顔面の形成異常が引き起こされる疾患です。頭蓋骨はいくつかの骨から構成されており、それらのつなぎ目が縫合線と呼ばれます。脳が成長す...
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ファイファー症候群ふぁいふぁーしょうこうぐん

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

ファイファー症候群とは、頭蓋骨や顔面骨の縫合が早期に癒合し、頭蓋や顔面の形成異常が引き起こされる疾患です。頭蓋骨はいくつかの骨から構成されており、それらのつなぎ目が縫合線と呼ばれます。脳が成長するにしたがって縫合部分も広がることで、頭蓋骨が拡大していきます。成人になるにつれて、縫合部分は自然に癒合していきます。ファイファー症候群は、この縫合部分の癒合が早期に起こってしまう病気のひとつです。クルーゾン症候群やアペール症候群などと共に症候群性頭蓋縫合早期癒合症に分類されます。ファイファー症候群では、頭蓋や顔面の形成異常が認められるだけでなく、手足の指にも一部癒合が認められます。また、半数以上の患者さんで聴覚障害を伴います。発症頻度は10万人に1人程度と推定されており、日本においては、年間にして6例程度の発症数と予想されています。FGFR2遺伝子もしくはFGFR1遺伝子の異常が原因であり、常染色体優性遺伝形式をとる遺伝性の疾患です。しかし、2型、3型に関しては、そのほとんどは突然変異による弧発例です。

原因

ファイファー症候群は主に10番染色体にある線維芽細胞増殖因子受容体2 (Fibroblast Growth Factor Receptor 2: FGFR2) 遺伝子の異常により引き起こされます。また、1型の一部の患者さんでは、8番染色体にある線維芽細胞増殖因子受容体1 (Fibroblast Growth Factor Receptor 1: FGFR1) 遺伝子の異常が原因であることもあります。FGFR2遺伝子の異常は、同じく頭蓋縫合早期癒合症に分類されるアペール症候群やクルーゾン症候群などでも高頻度で認められることが知られています。FGFRはFGF (線維芽細胞増殖因子) と結合し、骨の増殖や分化をコントロールする重要な役割を担っています。FGFR遺伝子の変異により、FGFRから持続的なシグナルが入るようになり、その結果、頭蓋や手足の早期癒合が引き起こされると考えられています。常染色体優性遺伝形式をとりますが、2型および3型に関しては、FGFR2遺伝子における突然変異が原因であり、孤発例がほとんどです。また、父親の年齢が高いほど変異が起こるリスクが高くなることが知られています。

症状

ファイファー症候群は、臨床症状から3つの病型に分類されます。1型は2、3型に比べると軽度ですが、頭蓋骨が早期に癒合してしまうために、正常な形成がなされず頭蓋がゆがんだ形となります。また、顔面の形成異常も認められ、目立つ額、顔面中部低形成、眼間開離、上顎後退、下顎突出、さらに噛み合わせ不良といった口腔領域にも影響がみられます。1型の患者さんでは知能は正常で、予後も良好であることが多いです。2型は、1型と比べ頭蓋縫合早期癒合の程度が重く、手足の指が一部癒合したり、肘関節の拘縮を合併したりすることがあります。2型の患者さんでは、クローバーリーフ頭蓋が認められることも特徴として挙げられ、しばしば水頭症を合併します。顔面の形成異常も重く、1型で認められるような症状に加え、著しい眼球突出、くちばし状の鼻、耳介低位などを伴うことがあります。また、精神運動発達遅滞を認めることもあります。3型は2型と同様の症状を呈しますが、2型に特徴的なクローバーリーフ頭蓋は認められません。2型、3型では、呼吸の障害を合併することもあり、適切な治療がなされない場合には命に関わることもあります。

検査・診断

単純頭部X線写真や3D-CTを用いて、頭蓋や顔面の骨の変形、頭蓋内圧亢進の有無、早期癒合による縫合線の消失などを確認します。また、CTやMRIにより、水頭症といった合併症やその他の脳奇形がないかを確認します。さらに、顔面の形成異常に伴い、視力や聴力、呼吸機能に影響が認められる場合も多いため、それぞれの症状に即した検査も実施されます。このほか、ファイファー症候群はFGFR2遺伝子もしくはFGFR1遺伝子の変異が原因となっていることがわかっているため、遺伝子検査が行われる場合があります。

治療

それぞれの症状に応じた外科的治療が必要になります。1度の手術で完治することは難しいため、乳幼児期から成人期にわたって複数回の手術が段階的に行われます。頭蓋の変形を放置すると脳の発達にも影響が及ぶ危険性があるため、頭蓋の変形を修正し、頭蓋容積を拡大する頭蓋形成術が実施されます。近年では、広げたい骨の部分に延長装置を取り付け、術後少しずつ骨を伸ばしていく骨延長法が実施されることが多くなっています。また、顔面骨の形成異常が高度な場合、眼球突出や咬合不全といった機能障害の改善を目的とした顔面形成術も必要となります。手足の指に癒合が認められる場合には、分離手術が行われます。このような手術により、正常な脳の発達を促すだけでなく、様々な機能の改善ならびに整容的な観点においても改善が期待できます。

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