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プール熱
プール熱とは、アデノウイルスが原因となり、夏などにプールの水を介して流行しやすい病気です。高熱・のどの痛み(咽頭炎)・真っ赤な目(結膜熱)の3つが特徴的な症状で、咽頭結膜熱と呼ばれることもありま...
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プール熱ぷーるねつ (別:咽頭結膜熱)

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

プール熱とは、アデノウイルスが原因となり、夏などにプールの水を介して流行しやすい病気です。高熱・のどの痛み(咽頭炎)・真っ赤な目(結膜熱)の3つが特徴的な症状で、咽頭結膜熱と呼ばれることもあります。プール熱という名前はついていますが、プール以外でもうつるため、流行状況に注意が必要です。また、兄姉から赤ちゃんにうつることもあります。

主な流行時期は夏で、6月頃から徐々に患者さんの数が増加しはじめ、7~8月にピークとなります。一方で必ずしも夏の病気というわけではなく、2003年からは冬季にも流行のピークが報告されるようになってきています。

原因

アデノウイルス(Human adenovirus: Ad)に感染することから発症します。アデノウイルスは、2017年7月現在、A~Gの7種に分類され80を超える型が存在しています。型によって症状の出方が異なることがあります。感染経路は、通常、咳やくしゃみなどによる飛沫感染、あるいは手指を介した接触感染です。

ウイルスは結膜や上気道を介して体内に侵入することが多く、プールを介した場合には、汚染された水から結膜へ直接侵入することが考えられます。アデノウイルスには塩素消毒が有効であり、日本のプールは基本的に塩素消毒にて衛生管理が行われています。

また、アデノウイルスは、環境中でもしばらくのあいだ感染性を保ったまま存在しているため、タオルや水着などを介した感染についても注意を払う必要があります。

症状

感染後5〜7日間の潜伏期間の後に発症します。発熱・咽頭の痛み(咽頭炎)・眼球の充血(結膜熱)の3つが特徴的な症状です。そのほかには、頭痛・食欲不振・全身倦怠感・眼の痛み・まぶしさ・目やに・腹痛・下痢などを伴うことがあります。これらの症状は3~5日間程度持続します。眼症状は片方から始まり、その後時間をおいてから他方にも出現することが多いです。眼についての症状は、適切な治療・経過観察により治癒することがほとんどです。

高齢者や新生児、免疫力が低下した方がプール熱に感染すると、ウイルスの型によっては呼吸障害が悪化するなど、重症化することがあります。

検査・診断

発熱、咽頭炎、結膜炎をもとに診断されることが多いです。確実にプール熱であることを診断するために、鼻汁、唾液、目やになどから、アデノウイルスを確認することがあります。方法としては、ウイルス分離やPCR法、と呼ばれる方法がありますが、実際に行うことができる施設は限られています。また検査結果が出るまでの時間が長いため、どのような症例に対しても行われるわけではありません。

一方、アデノウイルスに特徴的な抗原を検出する迅速検査方法もあります。この検査法としては、イムノクロマトキット(抗原検出免疫クロマトキット(IC))や酵素抗体(ELISA)法を用いた抗原検出キットによるものがあります。これらキットは市販され、早期診断に使用されています。

アデノウイルスは発熱期間が通常のウイルス性疾患よりも長いことがあります。このような場合に「本当にアデノウイルスなのか、それとも他の疾患であるのか」を判断するためにも迅速キットは使用されます。また、アデノウイルスは流行が拡大しやすい特徴もあることから、早期に診断することで感染予防策に役立てることも可能です。

そのほか、血液検査を用いてアデノウイルスに対する抗体を検出する方法があります。しかし、採血を必要することや、一度の採血では判定が困難な場合があることから、特に外来においては第一選択になりにくいです。

治療

アデノウイルスに対して使用可能な抗ウイルス薬は、現在(2017年)までのところありません。そのため、発症時には対症療法が主体となります。発熱や喉の痛みに対して解熱鎮痛剤を使用したり、結膜炎の症状が強い場合に目薬が処方されたりします。

経過中、特に小児では脱水になることが考えられます。喉の痛みや発熱から食欲がなくなることがあり、この場合は、よりいっそう脱水を起こしやすい状態となります。のどごしがよいものを食べさせたり、できるだけ水分を多く飲ませたりして、安静にさせることを心がけましょう。また必ずしも固形物に頼る必要はなく、本人が欲しがるものを与えるようにしましょう。

登園や登校はいつから可能か

プール熱は、学校保健法にて治癒後の登園、登校のタイミングが法律で規定されています。主症状である発熱、咽頭(のど)の発赤、結膜充血が消失した後、2日たてば登園、登校が許されます。実際には判断に迷う場合もあると思われるため、かかりつけの先生と相談することが大切です。

予防

確実な治療方法のないプール熱に対しては、予防が大切です。具体的な予防策としては、罹患者との密接な接触を避けること、流行時にうがいや手指の消毒をしっかりすることなどです。消毒用エタノールでは消毒効果が弱いことが知られているため、次亜塩素酸ナトリウムの使用が推奨されています。ウイルスは環境中にしばらく残るので、環境の消毒、タオルや箸の共有を避ける、などの対策も必要です。

また、臓器移植後の免疫不全状態の場合、アデノウイルスは致死的な感染症を引き起こすことがあるため、早急な対策が必要です。

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