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しんけいこうしゅ

神経膠腫

同義語
グリオーマ
最終更新日:
2023年05月22日
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2023/05/22
更新しました
2017/04/25
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概要

神経膠腫(しんけいこうしゅ)とは、脳に発生する悪性腫瘍(あくせいしゅよう)の1つです。神経細胞に栄養や神経伝達物質を送るはたらきを持つ“神経膠細胞”から発生します。神経膠腫には、星細胞腫、乏突起膠腫、上衣腫、膠芽腫(こうがしゅ)などいくつかの種類があり、脳腫瘍の4分の1は神経膠腫であるとされています。

神経膠腫は脳のさまざまな部位に発生し、その機能がダメージを受けることで多くの神経障害、麻痺などを引き起こします。また、脳圧が上昇するため頭痛や吐き気などに襲われることも多く、腫瘍が大きくなると意識障害などを引き起こす可能性があります。

治療は基本的に手術による摘出を行い、再発を防ぐための抗がん剤治療と放射線治療を行います。悪性度が低いものは手術をして全て摘出することができれば再発するリスクはほとんどないとされていますが、悪性度が高いものは早い段階から広い範囲に腫瘍が広がって治療が困難になるケースも少なくありません。

原因

神経膠腫は、神経膠細胞と呼ばれる細胞から発生する悪性脳腫瘍です。

なぜ神経膠細胞から悪性腫瘍が発生するのか、明確な原因は分かっていません。しかし、放射線治療後に神経膠腫を発症するリスクが上がるとの報告があるため、放射線治療後は定期的な経過観察が必要です。

また、神経膠腫は組織の性質などから多くの種類に分類されますが、なかには遺伝子変異や染色体の異常があるタイプのものもあり、発症に何らかの関わりがあると考えられています。

症状

神経膠腫は脳のさまざまな部位に発生する可能性があります。発症するとその部位の周囲に腫瘍がしみ込むように広がり、それに伴いむくみが生じるため、その部分の脳の機能が障害を受けます。また、脳は硬い頭蓋骨(ずがいこつ)に覆われているため、神経膠腫を発症して脳がむくむと脳圧が高くなり種々の“頭蓋内圧亢進症状(とうがいないあつこうしんしょうじょう)”が現れます。

神経膠腫の症状はこのような脳の局所的な症状、頭蓋内圧亢進症状の2つに分けられますが、それぞれ次のような症状が特徴です。

脳の局所的な症状

神経膠腫は、脳の中にしみ込むように広がっていくタイプの悪性腫瘍です。そのため、発症部位周辺の脳にはダメージが加わり、その部位がつかさどる思考、言語、運動、視覚、聴覚、バランス感覚、ホルモン分泌などの機能が損なわれていきます。

頭蓋内圧亢進症状

神経膠腫が大きくなって脳圧が高くなると、頭痛、吐き気・嘔吐などの症状が現れるようになります。また、脳が圧迫されることで視力の低下や視野の狭窄(きょうさく)が生じることもあり、呼吸など生きていくための機能をつかさどる延髄(えんずい)がダメージを受けると意識障害や呼吸停止などを引き起こして命にかかわるケースも少なくありません。

検査・診断

神経膠腫が疑われる場合は、次のような検査が行われます。

画像検査

脳に腫瘍があるか調べるにはCTやMRIなどの画像検査が必須となります。

脳腫瘍が疑われる場合は造影剤を用いた画像検査が行われます。神経膠腫には造影剤に染まりやすい特徴を持つ腫瘍があるため、診断だけでなく腫瘍の性質を評価するためにも有用です。

脳血管造影検査

足の付け根の太い血管にカテーテル(医療用の細い管)を挿入して脳の血管まで至らせ、造影剤を注入して脳の血流を調べる検査です。身体への負担が大きい検査ですが、腫瘍への血流を調べることができ、治療方針を決める上で大切な検査といえます。しかし、近年では造影CTやMRIなどでも脳の血管の形や走行を詳しく撮影することができるため、それらの検査を優先して行う医療機関が増えています。

遺伝子検査

神経膠腫にはいくつものタイプがありますが、遺伝子や染色体の異常による分類が必須です。そのため遺伝子検査を行うことは正確な診断のために必須で、重要な遺伝子異常の検査は保険診療での解析が可能になってきました。大学病院などの大きな病院だけでなく、一般の病院でも積極的に遺伝子異常の解析を行うことが推奨されています。

治療

神経膠腫の治療は基本的に手術で可能な限り腫瘍を摘出することです。しかし、神経膠腫は脳にしみ込むように広がっていく腫瘍であるため、完全に切除できないケースも多々あります。そのような場合は、術後に残った腫瘍に対して放射線治療と抗がん剤治療を行うのが一般的です。

また、神経膠腫は進行すると脳にむくみを引き起こしたり、てんかん発作などを引き起こしたりすることがあります。このような症状が現れたときは、むくみやてんかん発作を抑えるための薬物療法が行われます。

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