消化管間質腫瘍
胃の入り口に腫瘍ができてから2年が経過した患者さん
がん研有明病院で胃外科部長を務める布部創也先生に、胃がんの症例について伺いました。
胃の入り口に腫瘍ができてから2年が経過した患者さん
こちらの患者さんは胃がんではなく、消化管間質腫瘍(GIST)と呼ばれる腫瘍が胃の入り口部分にできていました。以前受診していた病院では胃の全摘をすすめられたそうなのですが、患者さん自身が手術を拒んだこともあり、当院を受診された頃には診断からおよそ2年が経過している状態でした。GISTは胃がんとは異なり、多少経過していても大きく進行することはありません。そのため、私たちは当院で手術を受けることを提案しました。
LECSによって胃を全て残して手術完了
当院ではGISTをはじめとする胃粘膜下腫瘍に対して腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)と呼ばれる手術方法を開発し、治療にあたっています。この手術方法は外科の腹腔鏡下手術と内科の内視鏡手術が組み合わさったもので、腫瘍のある部分だけを限定的に切除することができ、術後の生活の質を保って治療が行えます。こちらの患者さんの場合にも胃の全てを温存し、腫瘍だけを取り除くことができたため、術後の後遺症もほとんどなく、お元気に過ごされています。