子宮頸がん

20代で子宮頸がんを発症し、妊娠を希望されていた患者さん

最終更新日
2021年05月28日

倉敷成人病センター理事長の安藤正明(あんどう まさあき)先生に、子宮頸しきゅうけいがんの症例について伺いました。

20代で子宮頸がんを発症し、妊娠を希望されていた患者さん

20年前の話です。この患者さんは20代で子宮頸がんを発症し、診断の際にはIB1期まで進行していました。通常であれば迷うことなく広汎子宮全摘術となるところですが、子宮を全摘して妊娠を諦めたくないという希望がありました。

その当時、私たちはちょうど子宮を温存できる広汎子宮頸部摘出術を始めたばかりで、症例数も5件程度とまだまだ治療成績が分からない状態でした。患者さんの命にかかわることでもあるため、「命をかけてでも子宮を残しますか?」と質問。それでも患者さんの意思は固く、「それでも残したい、子どもがほしい」という言葉をいただいたため、広汎子宮頸部摘出術を行うことになりました。

広汎子宮頸部摘出術で子宮を温存

広汎子宮頸部摘出術で子宮を温存

写真:倉敷成人病センター理事長 安藤正明先生

当時はロボット支援下手術もまだなく、腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)で広汎子宮頸部摘出術を行いました。その結果、手術は無事に終了。数年後に第一子をご出産された後、さらにその2年後に第二子も出産され、術後18年経つ現在に至るまで再発もなく元気に暮らしていらっしゃいます。

 

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倉敷成人病センター

〒710-0824 岡山県倉敷市白楽町250 GoogleMapで見る

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