メディカルパークみなとみらいは、「誰もが気軽に来院できる場をつくること」「妊娠は男女二人で取り組むもの」という二つの理念を大切にしています。
一部の不妊治療が保険適用となった現在、当クリニックは「不妊」という言葉にとらわれすぎず、妊娠に関する悩みがあればためらわずに相談していただける場を目指しています。また、妊娠は女性だけではなく、男性も一緒に為すものです。そのため当院では、男女ペアでの受診を推奨し、正しい知識とパートナー同士の協力の重要性の普及を大切にしています。性教育が不足しがちな日本において、妊孕性(にんようせい、妊娠するための力)や妊娠の仕組みを伝える啓発も、私たちの使命です。
不妊治療は必ず成功するとは限らず、うまくいかないことが多々あります。そんなとき、私たちは「第三のパートナー」として二人に寄り添い、共に進む存在でありたいと考えています。
メディカルパークみなとみらいは、妊娠・出産を「自分の選択」として考えられる社会にしたいという思いで診療にあたっています。妊娠のタイミングや出産は、年齢や環境によって制約されがちですが、本来、それらは誰もが自らの意志で決めるべきことだと考えています。しかし現状では、妊孕性や生殖に関する知識が不足しているために、妊娠・出産についての選択肢が複数あることに気付いていない方が多いのではないかと思います。
当クリニックでは、卵子凍結や妊孕性温存(共に自由診療。詳細は後述)などの選択肢を提供することで、キャリアや病気、ジェンダーの違いによって将来の妊娠・出産をあきらめない医療を目指しています。「知らなかったからできなかった」をなくし、計画性と希望のある人生を支えることが、私たちの役割だと考えています。
不妊に関する無料相談が可能
日本不妊カウンセリング学会認定のカウンセラーが在籍(2025年8月時点)しており、不妊に関する無料相談や個別相談を行っています。LINEやWebで予約可能で、妊娠を希望される方、不妊治療を検討中の方、通院を迷われている方など、どなたでもご利用いただけます。
病気治療と生殖医療を組み合わせた「ハイブリッド治療」
当クリニックでは、子宮筋腫や子宮内膜症などが原因で妊娠しづらい場合に、手術と生殖補助医療(体外受精・顕微授精)を組み合わせた「ハイブリッド治療」を行っています。 具体的には、手術の前に採卵して受精卵(以降、受精卵という場合は胚も含意します)を凍結保存し、その後に必要な手術を実施。術後の回復を確認してから、凍結しておいた受精卵を移植します。手術による卵巣機能への影響を抑えつつ、妊娠の可能性を守ることができます。
将来の妊娠に備えた選択肢を提供
妊娠・出産は人生における大きなイベントですが、ライフプランやキャリアの状況によって、すぐに子どもをもつことが難しい方も少なくありません。当クリニックでは「いつか子どもを持ちたい」という思いに応えるため、がん治療に伴う妊孕性(妊娠する力)の温存に加え、ライフプランに応じた卵子凍結にも対応しています。年齢やライフスタイル、経済的な事情など、一人ひとりの状況に合わせて丁寧に説明し、納得したうえで選んでいただけるようにしています。
男女両方に原因がある可能性を前提に、精液検査・子宮卵管造影検査・排卵の確認などの基本検査を実施。必要に応じて排卵誘発や人工授精、体外受精へと進めます。保険適用の制度を活用し、費用面の負担を抑えつつ、ステップアップ治療を行っています。
精子と卵子を体外で受精させる方法で、自然妊娠が難しい方に提案している手法です。当クリニックでは患者さんの年齢、卵巣予備能、卵巣の状態に合わせて、目標採卵個数を決めたうえで適切な方法をご提案。納得できる選択をサポートいたします。
精子と卵子が自然に受精しない場合、あるいは精子数が極端に少ない場合は、細い針で精子を卵子の中に注入する顕微授精を実施します。自然な方法に近い体外受精を優先しつつ、慎重な適応判断を行っています。
将来の妊娠に備え、加齢や病気などによる妊孕性の低下を見越して卵子を凍結保存する技術です。妊娠のタイミングを柔軟に考えたい方にとって、将来に向けた選択肢の一つとなります。保険適用外ではありますが、ライフプランに合わせた意思決定を支える手段として有用だと考えています。
がん治療などで生殖機能が損なわれる前に、卵子・精子を保存する治療です。当クリニックは日本産科婦人科学会において医学的適応による未受精卵の凍結・保存の実施につき承認された施設であり、治療開始までの限られた時間の中でもスムーズに対応可能。若年がん患者さんやトランスジェンダーの方など、多様な背景を持つ方の妊孕性維持をサポートしています。
がん治療と妊娠の両立を支える医療分野で、卵子・卵巣組織や精子、胚の保存を通じて将来の出産の可能性を残す取り組みです。当クリニックでは、妊孕性温存に関する専門的な相談や対応が可能です。必要に応じて関係機関と連携し、治療開始までの限られた時間のなかでもスムーズな対応を心がけています。
子宮筋腫によって着床や妊娠に影響が出ると判断された場合には、必要に応じて手術を含めた治療方針をご提案しています。当クリニックでは電気メスを使用せずに処置できる子宮鏡手術装置を導入し、日帰り手術にも対応。比較的大きな筋腫がある場合は、グループ内の本院(メディカルパーク湘南)と連携して入院手術も可能です。
子宮内膜症は、生理痛や下腹部痛、性交痛などを引き起こすことがあり、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。当クリニックでは、症状の軽減と進行の抑制を目的に、低用量ピルなどを用いた治療を行っています。病気の進行度や妊娠希望の有無に応じて、適切な治療計画を提案しています。
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*1) 卵子凍結について
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■治療内容について
卵子凍結とは、将来の妊娠に備えて、若く健康な時期に採取した卵子を凍結保存する医療技術です。まず卵巣を刺激して卵子を育て、採卵手術で卵子を取り出します。その後、凍結処理を施して、将来の使用時まで保存します。必要なタイミングで融解し、体外受精や顕微授精と同じ手順で受精させます。受精卵は数日間培養した後、子宮に移植し妊娠を目指します。
■起こり得る副作用
卵巣刺激の際に、腹痛や膨満感、吐き気、嘔吐など、卵巣過剰刺激症候群を引き起こす可能性があります。また、採卵手術による腹腔内軽度の出血、他臓器損傷や感染リスクがあります。
・体外受精では子宮外(異所性)妊娠や多胎妊娠のリスクが高まり、また自然妊娠と比較して早産、低出生体重児、子宮内胎児発育不全、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などの周産期合併症が増加する可能性があります。
・顕微授精では通常の体外受精と同様のリスクに加え、一部の研究では染色体異常などの頻度がやや高いとの報告があります。胚移植に伴う合併症には、移植時の疼痛、出血、感染などが挙げられます。
■治療に要する期間
通常、月経開始から卵巣刺激を開始し、採卵に至るまでに約1か月程度かかります。事前のカウンセリングと術前採血に1回程度、その後の月経開始から採卵まで2〜3回通院いただく必要があります。卵子は生殖可能年齢まで凍結保存が可能ですが、具体的な年齢には個人差があり、学会で定める上限などはありません。なお、将来の使用時の顕微授精(凍結卵子の場合は顕微授精となります)と胚移植には、さらに2〜3か月程度の期間を要します。その間の通院は2回必要です。
■治療にかかる費用
初診料および検査代:20,900〜23,900円
採卵:150,000〜300,000円(1年あたりの合計金額です。採卵基本料金、卵巣刺激、採卵手術、採血・通院費を含みます)
凍結:37,300〜365,800円(凍結処理、管理料、再診料を含みます)
※2年目以降、1年ごとに「卵子凍結管理料」として22,000円かかります。
融解:200,000〜500,000円(融解、体外受精または顕微授精、受精卵移植、再診料を含みます)
※2年目以降、1年ごとに「胚凍結管理料」として38,000円かかります。
※実際の費用や期間は、凍結する卵子の数やその他の事情により変動する可能性があります。詳細は医師にご相談ください。
※本治療は保険適用外の自由診療です。公的に有効性・安全性が認められているものではありません。詳細は医師にご相談ください。
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*2) 妊孕性温存について
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■治療内容
がんなどの自己免疫疾患や、子宮摘出を必要とする婦人科疾患の診断を受けた患者さんが、抗がん剤や放射線治療などで生殖機能が低下し、将来の妊娠が難しくなるリスクに備え、受精卵あるいは受精前の卵子・精子の凍結保存を行います。
【受精卵凍結】体外受精または顕微授精で受精した受精卵を特殊な溶液に浸し、マイナス196度の液体窒素中で凍結・保存。使用時は、融解した受精卵を柔らかいチューブを使って子宮腔内に置いて移植します。
【精子凍結】事前検査で精子の量や濃度を調べた後、射精により(無精子症の方には精巣内精子採取術にも対応)採取した生きた精子を洗浄して保存液と混ぜ、超低温の液体窒素のタンクで凍結・保存。使用時は精子を融解して洗浄し、体外受精または顕微授精を行います
【卵子凍結】*1) 卵子凍結と同様です。
■起こり得る副作用
*1) 卵子凍結と同様、受精卵凍結や体外受精・顕微授精も卵巣過剰刺激症候群を引き起こす可能性があります。ほかに、麻酔による合併症、腟壁出血、腹腔内出血、骨盤内炎症性疾患(PID)のリスクもあります。また移植時に痛みや出血を伴ったり、感染したりする場合があります。精子凍結では、精子採取時のマスターベーションによる出血や感染のリスク上昇はほとんどなく、融解した精子を使用する際の男性自身への合併症のリスクもありません。精巣内精子採取術の場合には、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が生じる可能性があります。
■治療に要する期間
*1) 卵子凍結と同様です。さらに受精卵凍結、精子凍結を行う場合は以下の通りです。
【受精卵凍結】採卵に体外受精または顕微授精と受精卵凍結の手技が加わりますが、基本的に採卵日にパートナーの精子を採取して受精させます。その後は培養室で融解を行いますが、最終的に何個の胚が発生したか確認するために、採卵から1週間後に通院の必要があります。
【精子凍結】マスターベーションで精子を容器に採っていただきますが、凍結処理はその後数時間以内に行います。採精時の所見によっては、数回分に分けて凍結することも可能です。
■治療にかかる費用
*1) 卵子凍結と同様です。さらに受精卵凍結、精子凍結を行う場合は以下の通りです。
【受精卵凍結】凍結受精卵1個:400,000〜1,000,000円(初診料、検査、採卵、体外受精または顕微授精、受精卵凍結、受精卵凍結管理料1年分、受精卵融解、受精卵移植の費用を含みます)。
【精子凍結】凍結精子1本:200,000〜1,000,000円(初診料、検査、精子調整・初期培養、精子凍結、精子凍結管理料1年、精子融解、体外受精または顕微授精の費用を含みます)。
※2年目以降、1年ごとに「精子凍結管理料」として22,000円かかります。
※患者さんの状態により、必要な検査や検査回数は異なることがあります。詳しい検査費用や治療費につきましては、医師にご相談ください。
※本治療は保険適用外の自由診療です。公的に有効性・安全性が認められているものではありません。詳細は医師にご相談ください。
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*3) がん生殖について
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■治療内容
がんの診断を受けた方が、がん治療を始める前に将来の妊娠の選択肢を残すための治療です。具体的には、女性は卵子や卵巣組織、男性は精子をあらかじめ凍結保存します。当クリニックでは、精子凍結のみを行っております。治療内容は*2) 精子凍結と同様です。
■起こり得る副作用
*2) 精子凍結と同様です。
■治療に要する期間
*2) 精子凍結と同様です。
■治療にかかる費用
*2) 精子凍結と同様です。
※本治療は保険適用外の自由診療です。公的に有効性・安全性が認められているものではありません。詳細は医師にご相談ください。
| ネット予約 | 可 予約する |
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| 公式サイト | https://medicalpark-minatomirai.com/ |
| 連絡先 |
TEL 045-232-4741 |
住所 |
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※本記事は 2025年9月 時点のものです。