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糖尿病とうつの深い関係
糖尿病の1割がうつ病一般的なイメージでは、「糖尿病」と「うつ病」はなかなか結びつかない病気かもしれません。医療現場でも最近知られるようになったことですが、糖尿病の患者さんはうつ病になりやすく、逆...
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糖尿病とうつの深い関係

公開日 2014 年 03 月 08 日 | 更新日 2018 年 05 月 22 日

糖尿病とうつの深い関係
伊藤 弘人 さん

元 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 社会精神保健研究部 部長

伊藤 弘人 さん

菅野 一男 先生

医療法人社団桜一会かんの内科院長

菅野 一男 [監修]

貴田岡 正史 先生

イムス三芳総合病院 内分泌内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター長

貴田岡 正史 [監修]

糖尿病の1割がうつ病

一般的なイメージでは、「糖尿病」と「うつ病」はなかなか結びつかない病気かもしれません。医療現場でも最近知られるようになったことですが、糖尿病の患者さんはうつ病になりやすく、逆にうつ病の患者さんも糖尿病になりやすいという傾向があります。

たとえば糖尿病患者さんが100名いると、その中で10名程度、約1割の患者さんがうつ病を併発しています。それは、糖尿病を持たない一般の方の約2倍ものうつ病発症率です。

なぜこのような関係になっているかはまだ研究の段階ですが、生理学的な要因と生活習慣が複合しているのではないかと考えられています。たとえば糖尿病患者さんは食事制限など生活上の制限が必要で、長引く治療がストレスになることが、うつ病の発症のきっかけの一つではないかと言われています。

またうつ病の患者さんは、やる気がおこらずに運動不足になる、自己管理が難しくなるなどの結果として、生活習慣が悪化して糖尿病になるのではないかとも考えられています。それ以外にも様々な生理学的な要因が重なって糖尿病が引き起こされるのではないかと推測されていますが、まだ研究段階にあります。

うつ病にかかると糖尿病もさらに悪化する

糖尿病患者さんがうつ病にかかることにより、血糖のコントロールが悪くなり、糖尿病の合併症を起こしやすくなってしまいます。

うつ病になると活動量が低下しますし、引きこもってアルコールを飲んだり、薬を飲まなくなってしまったりと自己管理が低下するリスクが高まります。結果として、うつ病の患者さんは血糖値のコントロールが悪くなってしまい、心血管障害や腎障害などの糖尿病合併症を起こしやすくなってしまいます。近年、糖尿病患者さんでうつ病を合併すると死亡率が高まるとの研究が複数報告されるようになってきました。

糖尿病が悪化した結果、さらにうつ病が悪化する。ほうっておくと悪循環に入ってしまうので、それを断ち切ることが重要です。

うつ症状が出たら、早めに主治医に相談を

かなりのケースで糖尿病患者さんのうつ病は見逃されている可能性が高いです。うつ病になってしまった患者さんは、治療を中断して通院しなくなるケースも多くあるので、医者の側が気付いていないこともしばしばあります。

うつ病の症状としては下記のような症状があげられます。このような症状が出てきたら、主治医の先生に相談してもらうことが重要です。欧米と比較すると日本では精神的な病気に対して抵抗感を持ってしまいがちです。しかし欧米ではうつ症状は「こころのカゼ」と呼ばれるほど一般的なものですし、早期の段階で治療をしておくことが、予後の改善にもつながります。少しでもおかしいなと思うことが2週間以上続くようでしたら主治医の先生に相談してみてください。

からだの不調

体重が減った
食欲がない
眠りすぎる
動きや話し方が遅くなった
性欲が減った

こころの不調

悲しい気持ちが消えない
以前は楽しめていた活動に興味を持てない、楽しめない
集中したり、物事を決めることが難しい
自分を大切に思えない
失敗したわけではないのに罪悪感がある
死にたいと思う

身体疾患と精神疾患には強い関連性があり、身体疾患が重度になるほど患者は「こころの病」を経験することが知られている。これらに関連する諸問題に対する研究の第一人者であり、様々な手法からアプローチをし、解決を試みている。

2008年4月1日に、三鷹駅南口に、糖尿病・内分泌疾患・内科専門の「かんの内科」を開設。東京医科歯科大学、武蔵野赤十字病院、糖尿病学会、内分泌学会などでの診療・活動を通じて培った経験を、糖尿病・高血圧症・高脂血症・甲状腺疾患・動脈硬化症(脳梗塞、狭心症・心筋梗塞、足壊疽)などで苦しんでいる患者さんの診療に役立てており、メタボリックシンドロームなどで明らかな症状のない方の動脈硬化を進ませないようにするためのアプローチにも重点をおいている。食事療法、運動療法を駆使し、必要に応じて最適な薬の選択を行い、元気に長く豊かな人生を楽しむためのサポートをするために経験豊富な専門医、専門看護師、管理栄養士、運動トレーナー、フットケア専門家が一体となっている。
内分泌専門医として、甲状腺疾患、下垂体・副腎疾患(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、先端巨大症、プロラクチノーマ、尿崩症など)の診断・治療を行う。

北多摩地域の中核病院である公立昭和病院の内分泌・代謝内科部長として地域に根差した糖尿病治療を実践。加えて、NPO法人西東京臨床糖尿病研究会理事長として、糖尿病治療情報の共有および治療標準化を目指して、専門医、開業医間のネットワークを構築、専門的知識を持つ人材の育成等の活動を行っている。