朝日大学病院は、1973年に岐阜市に開設されました。開院当時は、岐阜歯科大学附属村上記念病院という名称でしたが、朝日大学への改称やキャンパスの統合などにより、2018年4月に現在の名称である朝日大学病院となりました。
開院当時は6つの診療科のみの標榜でしたが、時代のニーズに合わせて徐々に規模を拡大してきました。現在は、歯科大学の附属病院であったという特徴をいかし、歯科・口腔外科を含めた幅広い領域での診療を行っています。
そのような病院の特徴や、取り組みについて、院長である大橋宏重先生にお話を伺いました。
当院は、歯学部と保健医療学部(看護学科・健康スポーツ科学科)、法学部および経営学部を備える朝日大学の附属病院です。当院の位置する岐阜市は、人口減少と高齢化が進みつつある地域です。住民の方々の健康を支えるため、強みとしている歯科でのケアに力を入れているほか、入院患者さんが住み慣れた自宅へ戻って生活できる状態を目指した診療を行っています。
歯科・口腔外科の診療に力を入れている当院が行っている治療は、低侵襲手術を含めた、口腔内を中心とした医療を行っています。また、誤嚥性肺炎の予防といった観点でも、口の中を清潔に保つ口腔ケアが重要視されてきています。誤嚥性肺炎とは、食物や口腔内のものが誤って気道に入りこみ、引き起こされる肺炎のことであります。また、この誤嚥の原因の1つに、加齢による嚥下機能の低下があります。
当院の入院患者さんも高齢の方が増加しているため、口腔ケアがより重要と考えています。その点を考慮し、当院では口腔内の機能検査を行ったうえで口腔内ケアを行い、摂食・咀嚼・嚥下能力の改善と向上を目指す取り組みを行っています。
入院前後や手術前後なども一貫して口腔内ケアを行うことで、合併症の軽減や口腔機能の向上につながっています。入院患者さんはもちろん、外来患者さんのケアもできるように努めてまいります。
当院の整形外科は、「リウマチ・人工関節外来」「膝・スポーツ外来」「脊椎外来」の3つの専門外来を設けて診療を行っています。
関節リウマチに関しては、一般社団法人日本リウマチ学会認定のリウマチ指導医の資格を取得している医師が在籍しており、薬物治療から手術、リハビリテーションに至るまで、総合的にアプローチできるのが強みです(2019年8月時点)。
また、スポーツ医学に関しても力を入れているのが特徴です。サッカーや野球などのスポーツチームのチームドクターを兼任している医師も在籍しています。アスリートから趣味でスポーツを行う方の負傷まで、幅広く診療を行い、早期の機能回復を目指しています。
当院には、日本消化器病学会認定の消化器病専門医や日本外科学会認定の外科専門医、日本口腔外科学会認定の口腔外科専門医など、多岐にわたる分野の専門医が在籍しています(2019年8月時点)。これは特定の診療科において、一定以上の臨床経験を積んだ医師が診療を行っているということを意味しています。医師の出身大学や医局が多岐にわたっているのも特徴で、外科系は岐阜大学出身、整形外科は京都府立医科大学と名古屋大学出身の医師で力を合わせて診療を行っています。また、消化器内科は京都府立医科大学と岐阜大学、消化器以外の内科系である循環器内科、呼吸器内科、腎臓内科、内分泌・代謝内科は岐阜大学、眼科は藤田医科大学の出身医師が中心となって診療に取り組んでいます(2019年8月時点)。
当院は朝日大学の附属病院のため、助手以上の医師は教職を兼務しています。歯学部の内科系や外科系の講義を担当しているほか、保健医療学部看護学科での講義も行っています。学生たちを教えながら診療も行っている点が、ほかの病院と違うところです。
教職員を兼務しているため論文作成や学会発表なども求められています。診療のレベルを上げていくためには、そのような活動は重要で、教育・診療・研究を3本柱と考え、研究にも力を入れています。
若手の医師が少ないことが、当院の課題です。医学生や若手の医師に向けては、総合内科的な面も含め、全人的な診療が経験できることを説明会などでアピールしています。また、ほかの大学医学部の職員を兼任している医師もいるため、そこでも当院の魅力を伝えていくようにしています。
患者さんを全人的に診ていくうえでは、当院には皮膚科など足りない診療科があります。将来的には、どの診療科でも当院で一通りの対応ができるように体制を整えたいと考えています。また、救急搬送を断らずに必ず受け入れられる体制をつくりたいと考えています。医師不足などで、どうしても搬送を受け入れられない診療科があるのが現状ですが、その点も改善していく予定です。
当院が考える理想の病院像は、マグネットホスピタルです。当院で働きたい職員や、診療を受けたい患者さんが多くいる、自然に人が集まる病院が理想です。安心・安全な医療を心がけ、居心地がいい病院を目指したいと思います。
病院全体でより丁寧に診療を行っていくことが、患者さんからの信頼につながると考えています。
これからの医療を担う若手の医師のみなさんに伝えたいことは、臓器を診るのではなく疾病をもった人を診るということです。さらに、患者さんにシンパシーを持てる医師になってほしいと思っています。患者さんと同じ目線でものを考えられる医師になってください。
患者さんに寄り添って、患者さんの要求にいつでも応えられる、そういう姿勢が大切だと考えています。
当院の指導医クラスの医師は、それぞれの分野で先頭を走っていると言っても過言ではありません。医師が患者さんから信頼を得るには、患者さんからだけではなく、地域の医師からも信頼してもらえるようにならなくてはなりません。学会での発表などを通じ、「この病気なら、この先生」と頭に浮かべてもらうことが重要です。そのためには、臨床だけでなく、論文や学会発表にも力を入れています。
当院が目指しているのは、患者さんの全身を診ていく医療の提供です。みなさまのご要望にできるだけ添えるように、サービス面も含めてよりよい病院にしていきたいと思っています。これからの社会は、高齢化が進んでいきます。今後は入院患者さんが早く、住み慣れた自宅や施設などに戻れるように、回復期リハビリテーションの質なども向上させています。
朝日大学 理事・評議員、朝日大学病院 前病院長 腎臓内科教授 血液浄化センター長、岐阜大学医学部 臨床教授
朝日大学 理事・評議員、朝日大学病院 前病院長 腎臓内科教授 血液浄化センター長、岐阜大学医学部 臨床教授
日本内科学会 総合内科専門医・内科指導医日本腎臓学会 腎臓専門医・腎臓指導医日本透析医学会 透析専門医・透析指導医日本循環器学会 循環器専門医・指導医
1971年6月より医師としてのスタートをきる。1978年に岐阜大学病院助手、1980年9月に講師として腎疾患を中心とした分野を担当する。1984年4月より県立岐阜病院腎臓科部長、人工透析部長、2006年4月より副病院長、腎臓科部長として診療を行う。2007年1月に県立岐阜病院が岐阜県医療センターとなり、理事、副病院長、救命救急センター長、腎臓内科部長として業務に従事した。2011年4月からは、朝日大学歯学部附属村上記念病院の腎臓内科教授として医療の全線での診療を行っている。
大橋 宏重 先生の所属医療機関
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現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。