るいかんせん

類乾癬

最終更新日:
2023年12月27日
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2023/12/27
更新しました
2017/04/25
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概要

類乾癬は、皮膚に鱗屑(フケのようなもの)や赤く盛り上がった皮疹を生じる、原因不明の一連の皮膚疾患のことです。皮膚症状が“乾癬”と似ているためこのような名称が付いていますが、両者は異なる病気です。乾癬との相違点は皮疹の色調で、類乾癬のほうが薄い傾向にあります。

類乾癬は症状から“局面状類乾癬”と“苔癬状粃糠疹(たいせんじょうひこうしん)”に大きく分類されます。さらに、局面状類乾癬は皮疹の大きさから“大局面型”と“小局面型”に、苔癬状粃糠疹は皮疹の特徴から“急性痘瘡状苔癬状粃糠疹(きゅうせいとうそうじょうたいせんひこうしん)”と“慢性苔癬状粃糠疹”に分類されます。このうち局面状類乾癬の大局面型は、皮膚がんの一種である“皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)”に移行する恐れがあるため、入念な経過観察が必要になります。

原因

類乾癬を発症する原因は今のところ分かっていません。

ただし現在、類乾癬を発症した患者さんの皮膚生検所見からリンパ球の一種であるT細胞が広がる様子が確認されています。個々の病態は炎症性のものから皮膚がんの前段階にあるものまでさまざまです。

症状

類乾癬では、それぞれ以下のような症状がみられます。

局面状類乾癬

体幹や手足に周囲との境界線がはっきりとした淡い紅斑(皮膚が赤い状態)を認め、軽度の鱗屑を伴います。中高年〜高齢の男性に比較的多くみられます。

皮疹の大きさが直径5cm以上のものは“大局面型”、5cm以下のものは“小局面型”と分類されます。

大局面型

大局面型は皮疹に軽度の萎縮を伴います。うち10〜30%は、皮膚がんの皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)の一種である“菌状息肉症”に移行する可能性があります。

小局面型

小局面型の皮疹は左右対称性に生じることが多く、白くて細かな落屑を伴うほか、皮膚割線(皮膚の緊張と一致する線)に沿って細長い病変を認めることもあります。

なお、小局面型は通常良性のものであり、皮膚T細胞リンパ腫に変化することはごくまれです。

苔癬状粃糠疹

比較的若年層に多く発症し、体幹や太もも、上腕に直径が数mm〜1cm程度の赤くプツプツとした皮疹がみられます。この皮疹は次々と発生し、古いものと新しいものがいくつも混在することが特徴です。また、治癒した後には色素沈着や瘢痕を残します。

症状の経過から“急性痘瘡状苔癬状粃糠疹”と“慢性苔癬状粃糠疹”に分類されます。

急性痘瘡状苔癬状粃糠疹

潰瘍(かいよう)やかさぶたを伴う赤いプツプツがいくつも発生します。また、発熱や倦怠感を伴うこともあります。皮疹は瘢痕を残して数週間程度で治るとされます。以前は“ムッカ・ハーベルマン病”と呼ばれていた病気です。

慢性苔癬状粃糠疹

直径1cm以下の紅斑や赤くプツプツと盛り上がる小さな皮疹が発生し、白い鱗屑を伴います。かゆみなどの自覚症状はなく、数か月程度で自然に軽快します。以前は“滴状類乾癬”と呼ばれていた病気です。

検査・診断

類乾癬では、皮疹や鱗屑などの外観や発生部位などから診断が行われます。診断には、病変部の皮膚を一部採取して顕微鏡で詳しく調べる“皮膚生検”を行うこともあります。

治療

類乾癬の主な治療法は、ステロイドの外用や“ナローバンドUVB”を用いた光線療法です。

予防

原因が分かっていないため、類乾癬を予防することは困難といえます。しかし、局面状類乾癬の大局面型では皮膚T細胞リンパ腫発症のリスクがあるため、早期発見につなげるためにも定期的な経過観察を受けることが重要とされています。

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