院長インタビュー

みなとみらいクリニック

みなとみらいクリニック
田中 俊一 先生

医療法人みなとみらい 理事長 、 横浜市立大学 大学院医学研究科客員教授、星薬科大学 大学院非...

田中 俊一 先生

この記事の最終更新は2017年04月25日です。

有数の観光スポットとして有名なみなとみらい。この地に2007年に開院したみなとみらいクリニックは海に面した立地を活かした作りで、クリニックの扉をくぐった患者は横浜の海を目にすることができる。

「このクリニックを作るとき、海を一望できるデザインをリクエストしました。来院された患者さんに、みなとみらいを見渡せる解放感、医療に必要な透明性を感じていただきたかったからです。」

理事長の田中俊一先生は、このみなとみらいクリニックを2008年に開院。以来、糖尿病高血圧などの生活習慣病、そして睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害の治療を積極的に行っている。

「糖尿病の治療を掲げるクリニックでも地域によって受け入れられ方が異なります。神奈川県のなかでも特に横浜は、日本の産業をリードする企業が集中しているエリアです。 当然、仕事に対してもアグレッシブな方が多くいらっしゃいます。

責任ある仕事をこなすには、体調や時間管理には人一倍気を配る必要があります。 仕事に対し誇りを持ち、常に自分を磨き続けている方々だからこそ、自分の健康を支える診療に対しても常に結果を求められるのです。 私たちみなとみらいクリニックでは、こうした患者さんの要望に応えるたいと考えており、そのひとつとして。患者さんの大切な時間を必要以上に使わないよう心掛けています。」

みなとみらいのように、労働人口が多く患者の入れ替わりが激しい地域に適した医療を、田中俊一先生は「都市型医療」と称している。この地域で働く人は仕事に対する情熱にあふれ、健康に関する情報を積極的に入手し、そして実行に移す傾向があるらしい。

「エクスペリエンス」から「エビデンス」へ

仕事で常に自身を磨き続けているサラリーマン達だからこそ、クリニックに対する要求も自然と高くなる。みなとみらいの患者に対して納得のいく治療を目指すため、みなとみらいクリニックでは数字による管理を徹底している。

「たとえば、糖尿病を疑ってクリニックを訪れる新規の患者さんは、健康診断の結果が届く6月以降に増加する傾向にあります。こうした動向は現場の肌感覚で理解していますが、数字という客観的にとらえることのできるデータにして「見える化」することで診療に役立てています。」

医療には、過去の調査や実験によって得られた「エビデンス(科学的根拠)」と、医師が臨床によって得た「エクスペリエンス(経験)」というふたつの側面がある。肌感覚のように医師の主観によって左右されるエクスペリエンス。これを数字化し蓄積することでエビデンスへと変化させる。そしてそれを診療に活かしている点が、みなとみらいクリニックの大きな特徴だ。 

睡眠と生活習慣病の深い関係

「睡眠時無呼吸症候群は、遺伝、年齢、肥満が原因と考えられています。睡眠中に気道が圧迫されると、本来必要とされている分の酸素が供給されないため、脳が酸欠状態になり低酸素血症をおこします。酸素が欲しい脳は、心臓の動きを活発にして血液の循環を良くすることで、酸素を獲得しているのです。 十分な睡眠時間をとっているようでも疲れがとれない、日中強い眠気を感じるのは、睡眠時無呼吸症候群による酸欠が原因と考えられます。」

睡眠は体の疲れをとるだけでなく、その日経験した情報を整理し必要なものとそうでないものを選別している時間でもある。睡眠時間が短いということは、脳の情報処理に使える時間が短いということ。寝不足が続くと頭のはたらきが鈍く感じるのにはこうしたメカニズムがあったのだ。 しかし田中俊一先生によると、睡眠不足による弊害はこれだけではない。

「睡眠時間が短いと、眠気に対抗するためオレキシンという物質が分泌されます。このオレキシンは覚醒を促すと同時に、食欲を増進させる働きがあります。つまり、覚醒している状態を維持するため分泌されるオレキシンによって、睡眠不足の方はどんどん太っていくのです。」

たかが睡眠不足と捉えられがちな睡眠時無呼吸症候群、実は生活習慣病と深いところでつながっていたのだ。

「睡眠時無呼吸症候群は、CPAP(シーパップ)と呼ばれる酸素を送り込む機械によって治療を行います。このCPAPを装着し睡眠中にマスクから空気を送り込むことで、気道圧迫による低酸素血症を解消するのです。」

CPAPによる治療は保険の適用対象。しかしそのためには睡眠時の脳波を測定し、通常時の睡眠の浅さを立証すること、CPAPの使用によって睡眠の質が改善したこと、これを2回繰り返しCPAPによる治療効果を実証することで、ようやく保険適用となる。

「病気と診断することはできないけど正常でもない。何かしらの症状はあるけど検査値の規定に入らない、病気の検査値に入るのに自覚症状がない。こうした状態を未病(みびょう)と呼びます。 睡眠時無呼吸症候群は、糖尿病や高血圧などに代表される生活習慣病の未病状態であると考えられます。みなとみらいクリニックでは睡眠時無呼吸症候群の検査から治療を一貫して行うことができるような試みもしいるので、お気軽に問い合わせください。 質の良い睡眠をとること。睡眠質が低下している方には、睡眠の質が向上するための治療を行うこと。これが睡眠不足という未病状態を解消するために大切なこと。そのため高血圧や糖尿病など生活習慣病に悩んでいる方には、まず睡眠の大切さについて説明し、睡眠の質を低下させている睡眠時無呼吸症候群の治療をご提案します。」

みなとみらいクリニックに通うなかで多くを占めるのは、神奈川県をリードする企業で活躍しているサラリーマン。 「糖尿病や高血圧といった生活習慣病などの治療を求めて来院される患者さんが多いです。そのなかでも睡眠時無呼吸症候群の治療を希望する方が多いのは、睡眠の大切さについて徐々に認識が広がってきたこと、そして患者の多くが仕事でベストなパフォーマンスを求めているためです。 質の良い睡眠によって思考がクリアな状態を維持することができれば、仕事でのパフォーマンスを上げることも不可能ではありません。みなとみらいクリニックでは来院された患者さんの求める治療を患者さんの求めるかたちで提供できるよう努力をしています。」

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  • 医療法人みなとみらい 理事長 、 横浜市立大学 大学院医学研究科客員教授、星薬科大学 大学院非常勤講師

    田中 俊一 先生

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