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くる病
くる病とは、骨端線閉鎖前の子どもにおける骨の石灰化や成長がうまくいかず、骨が通常よりも柔らかくなってしまう病気です。体が成長段階にある子どもの骨には、「成長軟骨板」と呼ばれる特有の部位があります...
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骨・関節

くる病くるびょう

更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

くる病とは、骨端線閉鎖前の子どもにおける骨の石灰化や成長がうまくいかず、骨が通常よりも柔らかくなってしまう病気です。体が成長段階にある子どもの骨には、「成長軟骨板」と呼ばれる特有の部位があります。その名前から想像されるように、この部位で骨の成長は活発に起きています。成長軟骨板で骨が成長するためには、カルシウムやリンによって作られるハイドロキシアパタイトという物質が必要不可欠です。

しかし、血中リン濃度が低値だとこのハイドロキシアパタイトが産生できず、骨の成長が障害されてしまい、結果的に身長が低くなり、骨が柔らかいために変形してしまう「くる病」を発症します。

原因

骨の石灰化にはカルシウムとリンにより作られるハイドロキシアパタイトと呼ばれる骨の固さの素となる物質が不可欠です。小児期に何かしらの原因で血中リン濃度が低下し、ハイドロキシアパタイトの産生がうまくいかないことが「くる病」の原因です。

カルシウムとリンを吸収するためには、ビタミンDが必要です。ビタミンDは、キノコ類や魚、卵に多く含まれており、これらを摂取することで体内に取り込まれます。また、ビタミンDは日光に当たることで皮膚でも生成されます。

つまり、きのこや魚、卵などの経口摂取や日光への暴露が不足することで体内のビタミンDが不足してしまうのです。また、ビタミンDが体内で正常にはたらくには、腎臓が適切に機能する必要があります。

リンがうまく体内で保持できないことを原因としてくる病を発症することもあります。たとえば、「FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症(ビタミンD抵抗性くる病・骨軟化症)」と呼ばれる病気がありますが、この場合、FGF23というホルモンの作用が強まることで腸管からのリンの吸収が減り、腎臓からリンが体外に多く排泄されてしまいます。その結果、骨の強化に必要なリンが不足し、くる病の発症に至ります。

FGF23関連低リン血症性くる病にはさまざまな疾患が含まれますが、PHEXという遺伝子の異常に伴い発症する先天性疾患であるX染色体優性低リン血症性くる病(XLH)がもっとも頻度が高い病型です。次いでFGF23を過剰産生する骨、軟部組織腫瘍による後天性の腫瘍性骨軟化症が多く認められます。そのほかファンコーニ症候群、腎尿細管性アシドーシスなどの病気でも腎臓からリンが排泄されて低リン血症性くる病・骨軟化症を発症します。

症状

くる病は、骨がうまく石灰化できずに柔らかくなる病気です。そのため、骨の成長が遅くなりますし、つかまり立ちや独立歩行をするようになってから下肢に負担がかかると、骨がO脚やX脚に変形することから気付かれることもあります。

変形する部位は下肢に限らず、頭蓋骨や脊柱、手首足首なども含まれます。肋骨の成長が障害を受けると、「肋骨念珠」と呼ばれるでこぼこが出現することがあります。その他、Harrison溝と呼ばれる陥没が胸にみられることもあります。

また、骨の痛みを訴えることもあります。骨に痛みが生じると運動を避けるようになり、筋力低下を引き起こすことがあります。難病指定を受けているビタミンD抵抗性くる病においては特に、この症状がきっかけとなって寝たきりになってしまうこともあります。

検査・診断

血液検査で血液中のリン濃度を2回以上測定し、持続的に低リン血症があることを確認することで診断することができます。また、骨を形成するときに必要なアルカリホスファターゼ(ALP)という酵素や骨型アルカリホスファターゼが上昇していることも診断の手助けとなります。

低リン血症を起こしている原因を診断するためにはFGF23や25水酸化ビタミンD(25OHD)を測定する必要があります。そのほかに副甲状腺ホルモンの測定や腎臓・肝臓の機能の評価も原因の特定に有用です。低リン血症があるにもかかわらず血中FGF23濃度が30 pg/ml以上であればFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症と診断されます。

低リン血症があり、FGF23が30 pg/ml未満で、25OHDが20 ng/ml未満であれば、ビタミンD欠乏性くる病・骨軟化症を疑います。

くる病に関連した骨の障害を判定するために、頭蓋骨や足、胸、手首・足首などのレントゲン検査を行うことがあります。

治療

ビタミンDの欠乏により「くる病」を発症している場合、不足しているビタミンD(自然型ビタミンDもしくは活性型ビタミンD)を補充します。現在の日本では食物アレルギーに対して過剰な食事制限を行っている場合があり、その結果ビタミンD欠乏性くる病を引き起こすこともあります。

アレルギーの状態を適切に判断・評価し、不要な食事制限を避けることも大切です。さらに、適度に日光に当たりビタミンDの体内産生を促すことも重要です。

FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症(ビタミンD抵抗性くる病・骨軟化症)やファンコーニ症候群などでは活性型ビタミンDと同時にリン製剤の補充が必要であり、また治療を行っても骨変形や成長障害の完全な改善には至りません。また、これらの疾患で血液中のリン濃度を正常にするために大量に活性型ビタミンDやリン製剤を投与すると、腎機能を悪化させる原因となるために注意が必要です。

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