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Nerve
反回神経麻痺
反回神経麻痺とは、「反回神経」が何かしらの原因によって障害を受けてしまい、機能が低下している状態を指します。反回神経は声帯の動きを司る重要な神経であり、反回神経麻痺を生じると、声がかれてしまった...
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神経
更新日時: 2017 年 04 月 25 日【更新履歴
更新履歴
2017 年 04 月 25 日
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概要

反回神経麻痺とは、「反回神経」が何かしらの原因によって障害を受けてしまい、機能が低下している状態を指します。反回神経は声帯の動きを司る重要な神経であり、反回神経麻痺を生じると、声がかれてしまったり、食事内容物が気管内に入り込む誤嚥を起こしやすくなったりします。  反回神経は甲状腺や食道、大動脈弓などの近傍を奏功する形で位置しており、神経が走行する近接臓器の障害によって麻痺が生じることがあります。また、甲状腺手術など頚部の手術に関連して、術後合併症として発症することもあります。  反回神経麻痺を生じた際は、原因疾患によって予後や治療方法は異なります。治療に反応せずに反回神経麻痺が固定することもあり、この場合には日常生活の支障も大きく、生活の質が大きく低下することも懸念されます。

より詳しい情報は、記事①記事②をご参照ください

原因

反回神経とは、脳神経の一つである迷走神経から分岐する神経であり、声帯の動きを司る神経です。反回神経とはその名前が示唆する通り、頭蓋内から出てきてから声帯に至るまでに、特徴的な走行様式をとります。すなわち、頭蓋内から出て下降する反回神経は、直接声帯へとすぐに向かうのではなく、一度大動脈弓や鎖骨下動脈へと向かいます。これらの血管を支持としてUターンして再度上行した後(くるっと反転することになります)、最終目的地である声帯へと到着します。 反回神経の走行様式は以上のように特殊であり、走行過程において途中さまざまな臓器と近接することになります。具体的には、大動脈や食道、甲状腺、リンパ節などがあります。したがって、これら近傍組織に物理的な異常(大動脈瘤や食道がん、甲状腺がん、その他臓器からのリンパ節転移など)が存在すると反回神経麻痺を生じるようになります。 また、甲状腺がんの手術に関連して反回神経麻痺が生じることもあります。手術前に声帯麻痺がなくても、手術中にがんが声帯の動きにかかわる反回神経を侵していることが分かり、神経を切除しなければならなくなる場合もあります。反回神経は大変デリケートなため、通常の手術で温存していても麻痺が起こることがあります。 その他、ウイルス性疾患の神経炎として反回神経麻痺が生じることもありますし、脳卒中の一環として生じることもあります。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

症状

反回神経は、声帯の動きを司る神経であるため、反回神経麻痺が生じると発声に異常を認めるようになります。具体的には、ささやき声のような息漏れをした声が生じたり、ガラガラ声といった声が生じたりするようになります。 また、反回神経は食べ物を飲み込んだ時に、声帯を動かし誤嚥が生じないように防御するための働きも担っています。したがって、反回神経麻痺では嚥下障害、誤嚥といった症状を認めるようになります。誤嚥を繰り返すことから誤嚥性肺炎を発症することになります。 反回神経は、左右両側の神経が存在しますので、片側の反回神経麻痺であれば上記のような症状に留まります。しかしながら両側が侵される場合には、声帯が完全に閉じた形で動かなくなってしまうこともありえます。この場合は、うまく呼吸が出来なくなり呼吸困難を生じることになります。

より詳しい情報は、記事①記事②をご参照ください

検査・診断

反回神経麻痺では、声帯麻痺の状況や誤嚥の状況を確認するために、喉頭ファイバー検査にて声帯を直接観察します。また左右の声帯の位置関係を評価するために、発声時と安静呼吸時のCT検査で3次元的に声帯を評価することもあります。 反回神経麻痺では、音声の程度を評価することも重要になるため、最長発声持続時間や発声機能検査などが行われます。 反回神経麻痺を来した原因検索を行うことも重要であり、悪性腫瘍や大動脈瘤、脳血管病変を評価するために胸部や頭部のCT、MRIといった画像検査も行われます。食道がんに伴って麻痺が生じることもあるため、上部消化管内視鏡検査が行われることもあります。 反回神経麻痺では誤嚥を繰り返し誤嚥性肺炎も来しますので、適宜画像検査(肺炎の状況を確認します)や血液検査(CRPなどの炎症性反応を確認します)、培養検査(肺炎の原因となっている菌を検索します)が行われます。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください

治療

反回神経麻痺の治療は、まず内科的治療が試みられます。具体的に使用される薬剤としてはステロイド、ビタミン剤などがあります。声帯麻痺が持続する場合には、発声状態を改善させることを目的とした手術方法が選択されることになります。具体的にとられる方法としては、声帯内注入法と喉頭枠組み手術の二つがあります。これらの手術方法を行うことで反回神経麻痺そのものは改善しませんが、発声に対しての改善は見込めるため、結果として生活の質の向上につながることが期待できます。 反回神経麻痺は、甲状腺がんの手術に関連して発症することがあります。手術の中でどうしても反回神経を切断しなければならない場合は、再び神経をつなぎ合わせる再建術を行います。神経をつなぎ合わせても、声帯を閉じる神経と開く神経の間に過誤再生(神経が再生するときのチャンネル間違い)が生じるので、残念ながら声帯の動きは回復しません。しかし神経麻痺のため萎縮していた声帯が萎縮から回復し、発声時の声帯の緊張も改善するので、音声はかなり良好に回復します。また、飲み込んだものが誤って気管に入る誤嚥(ごえん)も少なくなります。

より詳しい情報は、こちらをご参照ください