概要
外耳道閉鎖症とは、外耳道が閉鎖あるいは極めて狭く狭窄している状態を指し、耳の聴こえや言語発達などにも影響が生じる可能性があります。
外耳道閉鎖症は、胎児期の発生の異常により先天的に生じることもあれば、ひどい外耳道炎などの炎症や交通外傷などにより後天的に生じることもあります。
両側性の難聴があれば、骨導補聴器などにより聴覚の補助を行います。また、外耳道閉塞症では真珠腫をあわせて発症している場合もあり、手術が行われることもあります。真珠腫がなくても外耳道造設術などの手術が行われることもあります。
原因
外耳道閉鎖症は、先天的もしくは後天的な要因により引き起こされます。
先天的な要因
生まれつき外耳道が閉鎖している場合には、胎児期における耳の発生の異常が原因であると考えられています。環境因子の影響や遺伝子異常による全身疾患の一症状として生じていることもあります。
後天的な要因
ひどい細菌性外耳道炎などの炎症や交通外傷などにより後天的に生じることがあります。自身の指や綿棒で、頻回に外耳道をいじることで生じることもあるので注意が必要です。
症状
閉鎖の時期や程度などに応じて症状が異なります。
生まれつきに両側の外耳道が閉塞している場合には、耳の聞こえが著しく障害されます。難聴の程度が強い場合には、言葉の発達に支障を来す可能性があります。
片側性の場合にも、難聴が問題となりますが、両側性の場合より影響は少ないです。真珠腫を伴っている場合は耳漏ばかりでなく、真珠腫の進行による骨破壊から顔面神経麻痺などを発症することもあります。
外耳道閉鎖症が先天的な疾患により発症している場合には、小耳症や耳以外の症状が出現することもあります。たとえばトリーチャー・コリンズ症候群と呼ばれる疾患が原因となっている場合には、顔面骨の形成不全や口蓋裂、口唇裂、哺乳障害、視力障害、呼吸障害がみられることがあります。
検査・診断
外耳道閉鎖症では、外耳道の閉塞状態を詳細に評価するために、外耳道入口部の閉鎖状態の観察ばかりでなく、光源付ペンスコープ型耳鏡を用いて外耳道を観察します。聴力検査により難聴の程度を評価することも大切です。
また、CT検査により中耳を含めた内部構造の評価を行うこともあります。トリーチャー・コリンズ症候群といった先天的な他の疾患が疑われる際には、遺伝子検査も検討されます。
治療
発症時期や症状の程度、合併症の有無などを考慮して治療方針が決定されます。生まれつきのものについては、言語発達への影響が懸念されるため、早期の段階から骨導補聴器の使用を考慮し、聴覚の補助を行います。
小耳症など耳介の形成異常を伴っていることもあるため、それぞれの患者さんに応じた治療が行われます。
また、状況によっては外耳道造設術などの手術や、最近では半埋込型骨導補聴器(BahaⓇ)や人工中耳(Vibrant Sound-bridgeⓇ)などが行われることもあります。
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