症状
症状はそれぞれの病気によって大きく異なります。
遺伝性
家族性腺腫性ポリポーシス
下血や血便によって発見されることが多く、重度な出血がある場合には貧血になることもあります。また、下痢や腹痛などさまざまな腹部症状が現れます。
大腸だけでなく、胃や十二指腸にもポリープが生じることが多く、消化管以外にも顎骨腫や軟部組織腫瘍、子宮がん、甲状腺がんなどの合併を起こすことがあります。家族性腺腫性ポリポーシスは、未治療のまま放置すると100%がん化するとされています。20歳頃からがん化が始まるとされるため、迅速な診断と適切な治療が大切です。
若年性ポリポーシス
下血や血便によって発見されることが多いです。若年性ポリポーシスはポリープが有茎性であり、大きくなると腸閉塞や腸重積の原因になることがあります。
腸の奇形や水頭症、口蓋裂などの先天奇形に合併しやすいことが報告されています。
非遺伝性
潰瘍性大腸炎
腹痛と下痢、下血を生じます。重症例では体重減少、微熱なども現れます。
再発しやすく、直腸から口にかけて連続性に病変が現れることが特徴です。
重大な合併症として、腸管穿孔や中毒性巨大結腸症などが挙げられます。
クローン病
最も多い症状は腹痛と下痢です。血便はそれほど多くないという特徴があります。重症になると、発熱や痔瘻、裂肛などの肛門病変や消化管穿孔を来たすことがあります。消化管穿孔は早期に治療を行わなかった場合、敗血症や多臓器不全に移行することがあるため注意が必要です。
Cronkhite-Canada症候群
下痢、腹痛、体重減少などの一般的な消化器症状が現れます。体重減少は蛋白漏出性胃腸炎の合併によるものであり、栄養状態が悪化すると死に至る可能性があります。爪の委縮、全身の脱毛、色素沈着などの合併症が生じることもあり、一部ではがん化も報告されています。
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