原因
中條・西村症候群は、PSMB8遺伝子の異常によって発症します。PSMB8遺伝子は、プロテアソームと呼ばれる細胞器官を形成するのに必要不可欠な遺伝子です。プロテアソームにはいくつかの重要な役割がありますが、免疫反応と深く関連したものをひとつの例に挙げることができます。外部から体内に侵入した細菌やウイルスはタンパク質を作りますが、こうした侵入者由来のタンパク質なのか、それとも生体自身のタンパク質なのかを見極める役割をプロテアソームは担っています。この見分けがうまくいくことで、病原体由来の生体にとって不要なタンパク質をうまく処理できるようになります。また、細胞内で使い古されたタンパク質は、必要な処理を受けた後にプロテアソームで分解され再利用されます。PSMB8遺伝子の異常が生じるようになると、こうしたタンパク質の仕分け・分解作業がうまくできなくなり、不要な炎症反応が引き起こされます。その結果、中條・西村症候群を発症することになります。
PSMB8遺伝子の異常は、「JMP症候群」と「CANDLE症候群」と呼ばれる病気でも見られるものです。中條・西村症候群を含めたこの3つの病気は、皮膚の異常と脂肪の減少で特徴付けられます。
中條・西村症候群は、「常染色体劣性遺伝」と呼ばれる遺伝形式をとります。この遺伝形式では両親が保因者であり、両親から病気の原因となる異常遺伝子を引き継ぐことからお子さんが病気を発症することになります。次世代で病気を発症する可能性は理論上25%であり、病気の保因者となる可能性は50%です。
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