概要
夢精とは、睡眠中に性的な夢を見ることなどにより射精をすることを指します。多くの場合は、思春期前後に起こる生理的な現象であり、性成熟が行われていることの指標であるといえます。
夢精は、思春期を迎えた男児に見られることが多く、特に病的な意味を有さないこともまれではありません。しかし、なかには病気が原因となって起こっているケースもあります。その場合には、原因に応じた治療が検討されます。
原因
夢精は、マスターベーションをしたことがない方でもみられることがありますが、性的に成熟していることの証でもあるといえます。また、長期間マスターベーションをしていない際にも、夢精が生じることがあります。
思春期において生じる夢精は、生理的な現象として生じます。
しかし、なかには病的な意味合いから夢精を生じることもあります。たとえば、精神疾患や、脊髄の異常などを原因として夢精が生じることもあります。
症状
寝ている間に性的な夢を見ることで射精が生じます。特に長い期間マスターベーションもしくは射精をしていない場合、夢精を生じる可能性が高まります。
マスターベーションをしたことがないお子さんでは、夢精によって初めて射精をした際には、自分の身体に何が起きているのかがわからず戸惑いを覚えることもあります。
何か悪いことをしたという気持ちになることもなり、親御さんに知られることで恥ずかしさを覚えることもあります。
検査・診断
多くの場合、特に検査は必要とされません。どのような状況で射精が生じたのか、年齢的な要素、頻度などを考慮し、生理的な射精であると考えられる際には特に検査は行いません。
しかし、昼間にも射精が見られる、射精の回数が頻回である場合などでは、病的な原因が潜んでいることがあります。そのような場合には、原因を調べることを目的として、性器や肛門周囲の詳細な身体診察、尿検査、MRI検査などが適宜検討されます。
治療
思春期前後で生じることが多い夢精ですが、正常な性成熟の過程として捉えられることが多く、特に治療の必要がないと判断されれば経過観察を行うことになります。
この際、性成熟、射精に関しての知識がないお子さんもいるため、射精をすることで下着や布団を汚すことに罪悪感を覚えることもあります。その際には、射精が起こることの意味合い、年齢を重ねると共に性成熟を迎えることの意義などを本人に説明する場合もあります。
こうすることで、本人が自分自身の身体に生じている現象をよりよく理解し、射精をすること自体が悪いことではないということの理解を促すことが可能となります。
一方で、ときに病的な原因を理由として夢精が引き起こされていることもあります。何かしらの原因となる病気が疑われる際には、その病気に応じた治療介入も検討されます。
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