概要
腟痙とは、膣の出入り口周辺に存在する筋肉が、自分の意図とは関係なく収縮をしてしまう状態のことを指します。発症には、性交渉に対する不安などの精神的・心理的な要因も関与していると考えられています。
腟痙が生じることで、性交渉ができなくなってしまったり、タンポンの使用、婦人科の診察に支障がでたりすることもあります。
原因
腟痙の発症には、精神的・心理的な要因も関与していると考えられています。具体的には、性交渉に対しての不安や恐怖、痛みなどのネガティブなイメージが発症に関与すると考えられています。
また、性交渉で恐怖を感じたことがある経験から、身体的な拒否反応として腟痙が生じることもあります。腟痙には痛みが伴うため、さらに恐怖心が増強されるというネガティブなサイクルが確立してしまうこともあります。
症状
腟痙では、膣の周辺の筋肉が自分の意識とは無関係に収縮をしてしまいます。膣の周辺を触る行為、たとえば性交渉やタンポンの使用などに関連してけいれんが誘発されます。
こうしたけいれんが自分の意識とは無関係に起きてしまい、膣にものを挿入することが難しくなります。
また、腟痙が起こることで筋肉が強く収縮し、膣周辺に痛みが生じることもあります。こうした痛みが要因となり恐怖心が植え付けられてしまうこともあるため、別の機会に同じような行為をする際にもけいれんが生じやすくなります。
検査・診断
腟痙の診断では、病歴を詳細に聴取することが必要不可欠です。また、けいれんが起こる状況や、腟痙が引き起こされるような精神的・心理的な要因がないか確認します。そのため、幼少期や思春期の様子や、これまでの性交渉に関しての状況も確認することがあります。
何かしらの病気が原因となり、腟痙に類似の症状がみられることがあります。そのため、そうした病気の鑑別(見分けること)を目的として、内診や膣周囲の観察なども行われます。
治療
治療としては、けいれんが生じないように徐々に身体をならす方法が選択されます。腟痙では、けいれんが惹起される部位がある場合もあります。
その部位から離れた部位を触ってもけいれんが生じないことを確認しつつ、けいれんを惹起せずに触れることができる範囲を徐々に広げていきます。
また、腟痙では精神的・心理的な要因が発症に関与していることもあります。腟痙の発症をもたらしたと考えられる要因がある場合には、それを取り除くような治療アプローチも考慮されます。
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