肝臓がん
再発を繰り返し、何度も手術を行った60代男性の肝臓がん
肝臓がんの症例について、国立国際医療研究センター病院 理事長の國土 典宏先生にお話を伺いました。
再発を繰り返し、何度も手術を行った60代男性の肝臓がん
こちらの患者さんは肝臓がんの診断後、手術の度に再発を繰り返したため、1年おきに4回の手術が必要となりました。繰り返し手術を行うと癒着を引き起こすため、手術の難易度が高くなりますが、1回1回丁寧に手術を行い、再発するがんをきれいに取り除くことを心がけました。
最初の手術から10年経過するが無再発
4回目の手術を行った後は幸い再発がなく、最初の手術から10年経過しましたが、今もお元気に生活されています。このように肝臓がんでは繰り返し手術を行っても治療成績が落ちることがなく、何回か繰り返すことによって再発を抑えられることもあります。
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化学療法を繰り返し行ったステージIVの転移性肝臓がん
東京都立多摩総合医療センターで外科部長を務める森田 泰弘(もりた やすひろ)先生に、肝臓がんの症例について伺いました。 化学療法を繰り返し行ったステージIVの転移性肝臓がん こちらの患者さんは直腸がん発見、すでに肝臓にも多発の転移があり、ステージIVと診断されました。また、40歳代の頃に憩室穿孔(けいしつせんこう)で腸の手術を行ったこともある方でした。ただし、直腸がんの診断時は肝臓以外への転移はなかったため、当院では根治治療を目指して手術を行うことになりました。 計7回の手術の後5年間再発なし 最初の手術では直腸の切除と肝臓の部分切除を行い、術後は化学療法をしながらより多くの肝臓を切除できるように、残せる肝臓の肥大化を行いました。ある程度肝臓が肥大化したところで、2度目の手術として右側の肝臓を切除しました。 その後肺や肝臓、肝門リンパ節に複数回転移が見つかりましたが、その都度部分切除と適宜化学療法を繰り返すことによって、がんを取り除いてきました。最初の手術から10年以上、最後の手術から5年近くが経過しましたが、今のところ再発はなく、お元気にしていらっしゃいます。
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大腸からの転移性肝がんで計5回の手術を行った男性
国立がん研究センター中央病院で肝胆膵外科の科長を務める江崎 稔(えさき みのる)先生に、肝臓がんの症例について伺いました。 大腸からの転移性肝がんで計5回の手術を行った男性 大腸(S状結腸)のがんが肝臓に転移した方で、60歳代の男性でした。 一般的に遠隔転移したがんは手術の適応とならない場合がほとんどです。しかし、大腸からの転移性肝がんは肝臓以外に転移していることが少ないため、手術の適応となる場合が多いのです。 この患者さんの場合は、大腸のがんと転移した肝臓のがんを一度の手術で切除。大腸外科と協力し6時間ほどで取り切ることができました。 4回の再発を手術で乗り超え回復へ その手術から半年後、再び肝臓にがんが見つかりました。目に見えないがんが残っていたために再発したと思われました。抗がん剤治療をしながら様子を見ていたらがんは増えなかったので、再び手術を行いました。 その後も再発を繰り返しましたが、いずれも切除可能で肝臓を切除した回数は計5回となりました。現在、5回目の手術から5年以上経っていますが、再発はありません。がんを取り切れたものと考えています。長い闘病が大変であったことを忘れかけているほど、現在は体調が良好とのことです。
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