肝臓がん
大腸からの転移性肝がんで計5回の手術を行った男性
国立がん研究センター中央病院で肝胆膵外科の科長を務める江崎 稔先生に、肝臓がんの症例について伺いました。
大腸からの転移性肝がんで計5回の手術を行った男性
大腸(S状結腸)のがんが肝臓に転移した方で、60歳代の男性でした。
一般的に遠隔転移したがんは手術の適応とならない場合がほとんどです。しかし、大腸からの転移性肝がんは肝臓以外に転移していることが少ないため、手術の適応となる場合が多いのです。
この患者さんの場合は、大腸のがんと転移した肝臓のがんを一度の手術で切除。大腸外科と協力し6時間ほどで取り切ることができました。
4回の再発を手術で乗り超え回復へ
その手術から半年後、再び肝臓にがんが見つかりました。目に見えないがんが残っていたために再発したと思われました。抗がん剤治療をしながら様子を見ていたらがんは増えなかったので、再び手術を行いました。
その後も再発を繰り返しましたが、いずれも切除可能で肝臓を切除した回数は計5回となりました。現在、5回目の手術から5年以上経っていますが、再発はありません。がんを取り切れたものと考えています。長い闘病が大変であったことを忘れかけているほど、現在は体調が良好とのことです。
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