前立腺がん

80歳代で行った前立腺がん手術が患者さんの自信に

最終更新日
2021年07月14日

順天堂大学医学部附属順天堂医院の泌尿器科で教授を務める堀江ほりえ重郎しげお先生に、前立腺がんの症例について伺いました。

80歳代で行った前立腺がん手術が患者さんの自信に

この患者さんは、80歳代の男性の方で合併症のないステージ3の状態でした。年齢を踏まえると、患者さんによっては治療をしない選択肢を取ったり、手術治療はせずに放射線治療を選択したりする方もいらっしゃいます。しかし、この患者さんには手術を受けたいという希望がありました。

幸いにも、この方はテニスをするなど日常的に体を動かしていたために筋肉がしっかりしており、尿道括約筋が長かったこともあって、患者さんの希望どおり手術を行うことができました。

手術治療を無事に終えて手に入れた自信

ロボット支援下手術を行い、結果は無事に終了。手術後2か月が経過したころには尿漏れなどもなく、テニスも再開するまでに回復していました。患者さんとしても不安はあったと思いますが、やはり病気を治したという事実は患者さんの大きな自信になっているようにも見えました。この患者さんは、現在も大好きなテニスなどの趣味を楽しみながら、元気に暮らしていらっしゃいます。

順天堂大学医学部附属順天堂医院

〒113-8431 東京都文京区本郷3丁目1-3 GoogleMapで見る


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