胃がん
胃がんが再発し、再度の内視鏡治療は難しいと言われた例
NTT東日本関東病院 内視鏡部部長の大圃研先生に、胃がんの症例について伺いました。
胃がんが再発し、再度の内視鏡治療は難しいと言われた例
この患者さんは、過去に胃がんで内視鏡治療をした後に再発した方でした。一般的には、一度内視鏡治療を行った場所にもう一度内視鏡治療を行うのは難しいとされています。これは、内視鏡治療を行うと炎症・線維化を起こし、穿孔(穴が開くこと)の可能性が高くなるためです。
この方はほかの病院で内視鏡治療ができないと言われていました。しかし、これは手術難易度の問題であり、当院なら内視鏡治療が可能と判断できました。治療は1時間弱で終了し、その後は元通りの暮らしを送っていらっしゃいます。このように何度も内視鏡治療を行うのは、当院では珍しくないことです。
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胃に7つのがんが見つかった30歳代の女性
NTT東日本関東病院 内視鏡部部長の大圃おおはた研けん先生に、胃がんの症例について伺いました。 胃に7つのがんが見つかった30歳代の女性 この方は若い女性で、まだ30歳代でした。胃に7つのがんが見つかりましたが、その1つ1つは内視鏡治療が適応になる早期の病変。個々の病変を分けて切除していく施設もあると思いますが、その場合入院期間は合計で1か月以上に及びます。そのため、当院では1回で全てのがんを取り切ることにしました。 この方の場合、数が多いことに加えて場所も悪かったので時間のかかる治療になることが予想されました。そこで、手術室で全身麻酔をかけ、より安全性を高めて治療を行いました。結果、5時間ほどかかりましたが1回で7つ全て取り切ることができました。 治療後は1週間ほどで退院し、今も元気に暮らしていらっしゃいます。年齢が若いということもあり、お腹に傷をつけることなく胃も残せたということは代えがたい価値のあることだったと思います。
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ほかの病院では全摘をすすめられていた60歳代男性
がん研有明病院で胃外科部長を務める布部創也(ぬのべそうや)先生に、胃がんの症例について伺いました。 ほかの病院では全摘をすすめられていた60歳代男性 こちらの患者さんは胃の上部にがんが生じていたのですが、比較的がんの範囲が不鮮明で、切除範囲を決めるのが難しい状態でした。ほかの医療機関では胃の全摘をすすめられたそうですが、当院ではなんとか少しでも胃を残すことができないだろうかと頭を悩ませました。幸い、内科の医師がかなり詳しく検査をしてくれたおかげで、病変の位置や広がりが分かり、これなら胃亜全摘術で胃の一部を残せると判断されたため、胃亜全摘術を行うことになりました。 術後の後遺症も少なく退院 こちらの患者さんの胃亜全摘術は腹腔鏡下手術(ふくくうきょうかしゅじゅつ)によって行われました。無事にがんを取りきることができたほか、胃の一部を残すことができたため、術後の後遺症も少なく元気に過ごされています。現在手術からおよそ2年が経過しますが、今のところ再発はありません。このように胃がんでは内科の正確な診断力、外科の技術が伴ってこそ、根治性があり術後の生活の質を保てる治療が行えるのだと思っています。
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