頭頸部がん 上顎洞がん
40歳代女性ステージIVの上顎洞がん
患者さんはステージIVの進行した上顎洞がんで、通常であれば上顎を全摘する手術が必要な状態でした。しかし自分の顔が変わってしまうことを恐れ、医師に手術の話をさせてくれないほど手術治療を嫌がっており、とても手術を提案できる様子ではありませんでした。
そこで当院では、がんに栄養を送っている動脈に直接抗がん剤を注入する超選択的動注化学療法と放射線治療の併用療法による治療を提案しました。
超選択的動注化学療法と放射線治療の併用療法によってがんが完全寛解
超選択的動注化学療法と放射線治療の併用療法では、抗がん剤“シスプラチン”とともにチオ硫酸ナトリウムという薬剤を注入します。これによって抗がん剤による副作用を小さくすることができ、従来より高い頻度で抗がん剤治療を行えます。また、放射線治療も併せて行うことでがんの根治性がより高まります。
患者さんは、この治療によってがんを寛解することができ、手術のような機能や整容の変化もなく、現在もお元気に過ごされています。
関連の症例
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小児の悪性腫瘍
ごく珍しいことではありますが、まれに小児の頭頸部の悪性腫瘍(あくせいしゅよう)の患者さんがいらっしゃることもあります。 この患者さんはほかの医療機関で肉腫が疑われ、当院の陽子線治療の相談にいらっしゃり、当院のキャンサーボードで話し合いをした結果、念のため再検査を行うことになりました。 再検査の結果、横紋筋肉腫と診断 再検査を行ったところ、横紋筋肉腫という悪性腫瘍であることが分かり、抗がん剤治療と陽子線治療を実施することになりました。 このように小児の悪性腫瘍は診断が非常に難しいため、当院のようにキャンサーボードなどのカンファレンスでさまざまな専門家が相談しながら集学的治療を行う体制は非常に大切です。 小児の悪性腫瘍の患者さんがいらしたときは、通常の頭頸部がんのキャンサーボードのメンバーに加え、小児科の医師も参加して意見交換を行っています。
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