大腸がん
膀胱へ浸潤したステージIIIcのS状結腸がん
こちらの患者さんは、S状結腸がんが見つかったときには膀胱に浸潤しているステージIIIcの状態でした。膀胱に浸潤している大腸がんの場合、時には膀胱を全摘して人工膀胱の設置が必要となることもあります。しかし、人工膀胱は患者さんが精神的・肉体的ダメージを負いやすいことから、なんとか膀胱を残して手術ができないかどうかを検討しました。
泌尿器科と連携して膀胱を温存した手術が可能
そこで当院ではこちらの患者さんに対し、治療方針の決定から手術、術後の管理まで幅広く泌尿器科と連携して治療を行いました。膀胱鏡を用いた術前の検査で、膀胱を全摘しなくても部分切除すればがんが取り切れそうだということが分かったため、手術時は外科医が腹腔鏡を用いて手術を行う傍ら、泌尿器科には膀胱鏡で膀胱の状態を観察してもらいながら切除範囲を決めていきました。
8時間ほどかかる大きな手術となりましたが、術後は頻尿などの合併症もなく、元気に過ごされています。幸い、手術でしっかりがんを取りきることができたため、今後は再発予防として術後の化学療法を行っていく予定です。
関連の症例
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オンライン診療からのセカンドオピニオンで来院した大腸がん患者さん
NTT東日本関東病院 内視鏡部部長の大圃おおはた研けん先生に、大腸がんの症例について伺いました。 オンライン診療からのセカンドオピニオンで来院した大腸がん患者さん この患者さんは他県にお住まいでした。地元の病院で大腸がんと診断され、内視鏡治療は適応にならず手術が必要だと言われたそうです。内視鏡で何とか治療できないかとセカンドオピニオンの病院を探しているなかで当院を発見され、ご相談いただきました。 遠方ということもあってまずはオンライン診療でお話を聞き、大腸の写真を見せていただいたところ、おそらく当院なら内視鏡治療が行えると判断。あらためて来院いただいて精密検査を行いました。その後内視鏡による治療を行い、30分ほどで取り切ることができました。 術後の通院コストが小さいのも内視鏡治療の特徴 内視鏡治療の場合、術後に何度も通院していただく必要はありません。この患者さんの場合も、治療前の来院や治療のための入院を含めて4回来院いただいたのみです。そのため、移動コストという面での負担が少ないことも内視鏡治療の特徴といえるでしょう。画像だけでも、内視鏡治療が適応になるかどうかある程度の判断はつきますので、まずはご相談いただきたいと思います。当院ではオンライン診療も行っていますので、特に遠方にお住まいの方は利用をご検討ください。
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診断時に余命半年といわれたステージIVの70歳代女性
京都桂病院の消化器センター・外科の副部長を務める濱洲はます晋哉しんや先生に、大腸がんの症例について伺いました。 診断時に余命半年といわれたステージIVの70歳代女性 こちらの患者さんはS状結腸がんで、診断時にはすでに肝転移がみられるステージIVと診断されました。診断時の余命は半年。危険な状態でしたが、原発巣となるS状結腸がんを手術で切除し、その後抗がん剤による化学療法を行ったところ、抗がん剤がよく効き転移や再発なく数年経過しました。 その後、肝転移や肺転移がみられたものの、また別の抗がん剤が効果を示し、肺の転移はなくなりました。肝転移が残ったので2回目の手術を行い、放射線治療も行いました。 集学的治療によってがんをコントロールして10年 2回の手術とさまざまな抗がん剤、放射線治療などを駆使することにより、診断から10年ほど経った今でもご存命です。半年といわれた命がこんなにも延びることは、私たち医師としてもとても嬉しいことです。
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