茨城県厚生農業協同組合連合会 JAとりで総合医療センター

茨城県厚生農業協同組合連合会 JAとりで総合医療センターで取り扱った症例

この病院で治療をした実際の症例について、医師のインタビューを元に作成しています。

  • なかなか頭痛やふらつきの原因が見つからなかった70歳代女性

    • 頭蓋底腫瘍

    JAとりで総合医療センター 脳神経外科で部長を務める河野 能久(かわの よしひさ)先生に、頭蓋底腫瘍の症例についてお話を伺いました。 なかなか頭痛やふらつきの原因が見つからなかった70歳代女性 こちらの患者さんは10年ほど前にほかの医療機関で頭蓋底髄膜腫の手術を受けており、手術後1年は経過観察のためにその医療機関を受診。しかし、その後数年間は経過観察をしていないという方でした。 数年前から頭痛やふらつきの症状が現れていたそうで、耳鼻咽喉科・消化器科などさまざまな診療科を受診し検査を受けても原因が見つからず、医師から精神的なものではないかといわれることもあったといいます。具体的な原因が分からないまま数年が経った後、ついに全身の脱力で倒れて気を失ってしまい、当院の緊急外来に搬送されてきました。 カテーテル塞栓術を行った後再び手術治療へ 当院で検査を行ったところ、頭蓋底(小脳)に大きな腫瘍(しゅよう)が見つかり、手術をした頭蓋底髄膜腫が再発したものと考えられました。かなり大きな腫瘍で気を失うほどの強い症状があったため、手術で切除することが検討されました。頭蓋底髄膜腫は栄養血管を多く持つ腫瘍なので、手術中の出血を抑えるため手術前日にカテーテル塞栓治療(そくせんちりょう)で一部の血管を塞ぐ処置をして手術に臨みました。 手術の結果、初回の手術からあった嚥下障害(えんげしょうがい)は改善されませんでしたが、腫瘍をしっかり取り除くことができ、長年悩まされていた頭痛やふらつきなどの症状もなくなったといいます。現在治療から3年以上が経過していますが、再発なく元気に過ごされています。

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