
更年期障害は、おおよそ45歳から55歳の女性に起こる症候群です。女性ホルモンや自律神経が関係しており、多くの女性にとってかかる可能性があります。更年期とは何歳ぐらいのことを指し、また更年期障害には具体的にどのような症状があり、その原因はどこにあるのでしょうか。山王メディカルセンター・女性医療センター長の太田博明先生にわかりやすくご説明いただきました。
「更年期」とは、医学的には「生殖期(性成熟期)と非生殖期(老年期)との間の移行期をいい、卵巣機能が衰退し始め、消失する時期にあたる」とされています。閉経を50歳とすると、具体的な期間は、閉経をはさんだ前後5年間、45歳ぐらいから55歳ぐらいを指すことになります。
閉経のタイミングは人によって異なり、早ければ45歳、遅ければ55歳ぐらいです。したがって、早ければその5年前の40歳、遅ければ5年後の60歳、場合によっては高齢者といわれる65歳近くになるまでの期間さえ、「更年期」に含まれるケースも考えられます。しかし、「更年期」の指す平均的な期間は、45歳から55歳といえます。
近年の我が国では長寿化が進み、女性の平均寿命は86.61歳となり、人生90年時代を迎えています。ひと昔前は更年期というとまさに老年期の直前で、人生の終焉に近かったのですが、現代の45歳から55歳というと人生の中間点、折り返し点に相当します。
更年期障害とは、医学的な難しい言葉では「更年期に現れる多種多様の症候群で、基質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」と定義されています。噛み砕いて表現すれば、「更年期に現れる、検査をしても異常は出てこないけれどなんとなく体調が悪い状態で、症状も現れたり消えたり、強くなったり弱くなったりと一定でない」状況のことです。この背景には、女性ホルモンと自律神経のバランスの乱れが関係しています。この2つについて、以下に詳しく説明します。
ホルモンは身体のすべてに関わっており、更年期障害にも影響します。ホルモンのうちステロイドと呼ばれるものが、女性ホルモンのエストロゲンなどの性ホルモンです。これは卵巣のコレステロールから作成され、そのバランスの乱れは気分、態度、健康、成熟などに影響します。閉経が近づくと、この性ホルモン量が低下したり乱れたりします。これが原因となり、更年期の各種症状である「のぼせ、ほてり、発汗、抑うつ、不眠」の5大症状が現れます。
更年期障害の発症には、自律神経も関わっています。自律神経とは、循環器(心臓など)・消化器(胃など)・呼吸器(肺など)といった器官などの活動を調整する神経です。これは、自分の意志で動かすことはできません。自律神経が乱れてしまうと、ホルモンバランスや代謝が悪くなり、イライラしやすくなったりします。また、肩こりや頭痛、便秘、肌荒れ、心身の不調の背景にあるのも自律神経の乱れです。
自律神経には交感神経(体を活発にする神経)と副交感神経(体を落ち着かせる神経)の2種類があり、そのバランスが大事です。強いストレスが加わると交感神経が活発に働き、やる気が出ます。これが副腎(ふくじん)という器官から分泌されるアドレナリンです。しかし、これが強すぎたり分泌が長く続きすぎたりすると、神経が興奮したままとなり、血管が収縮して冷え性や低体温を招きます。一方、副交感神経が働きすぎても、やはり同じように血行障害となり、身体に冷えが生じます。イライラ、ストレスは副交感神経の働きすぎです。
自律神経は生活習慣や気持ちの持ち方、食事など、自分自身の工夫で整えることができます。ホルモンと自律神経は連動します。このバランスを整えるために、今の生活を見直し、できることから実践してください。適度な運動とともに、睡眠をはじめとする休養を適切に取ることが大切です。健康の基本はここから始まります。
更年期障害の診断と治療については、別記事で詳しく説明します。
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