まんせいふくびくうえん

慢性副鼻腔炎

別名
蓄膿症
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

慢性副鼻腔炎とは、鼻漏や鼻づまりなど副鼻腔の慢性的な炎症症状が12週間以上消失しない状態です。インターネット上では「蓄膿症」と検索されていることも多いようです。風邪に関連した急性副鼻腔炎から続発することが多い疾患です。

原因

副鼻腔は頭蓋骨中央にある空間の総称です。左右に上顎洞、篩骨洞、蝶形骨洞、前額洞の4種類あります。風邪に関連した急性副鼻腔炎から続発することが多く、ほとんどは細菌感染によるものです。鼻中隔彎曲症なども発症因子となります。

子どもでは免疫が不十分なことやアデノイドが大きいことも関係しています。つまり、慢性副鼻腔炎といっても子どもと大人では病態が異なります。近年はアレルギーが原因の好酸球性副鼻腔炎が増加しており、喘息を合併することも多く、難治性です。

症状

鼻腔および副鼻腔粘膜が腫れます。悪化すると鼻茸と呼ばれるポリープも生じます。そして空気の通り道が狭くなり、鼻閉となります。慢性炎症ですので黄色で粘りのある鼻汁が出ます。鼻汁はのどにたれ込む後鼻漏となり、咳嗽の原因になります。

眼、頬、前頭部周囲の重い感じや嗅覚障害も起きます。特に好酸球性副鼻腔炎では嗅覚障害が初発症状のことも多く 、注意が必要です。

検査・診断

好酸球性副鼻腔炎では問診で気管支喘息の有無を確認することが重要です。鼻鏡や内視鏡を用いて鼻腔を観察します。そして、鼻汁の量や質、粘膜の腫れ具合、鼻ポリープの有無を確認します。そしてレントゲン、CT、MRIといった画像検査を行います。副鼻腔は骨に覆われているため内視鏡で観察ができないためです。レントゲンよりCTの方がどの副鼻腔に炎症が起こっているか詳しくわかります。そのため、近年は最初からCT を行うことが増えています。MRIでは副鼻腔を占拠している病変の性状が分かります。

癌や乳頭腫など腫瘍性病変や、好酸球性副鼻腔炎の鑑別には生検が有用です。また、鼻腔や鼻汁の細菌培養検査は抗菌薬の選択に役立ちます。また、アレルギー性鼻炎を原因として発症することもあるため、採血などでアレルギーに関連した検査も行います。

治療

一言で慢性副鼻腔炎といっても病態がさまざまで、病態を正確に把握しながら治療することが重要です。保存的治療ではマクロライド系抗菌薬や去痰剤を用います。また、鼻腔や副鼻腔に薬剤を直接投与することを目的にエアロゾル(吸入)療法も行われます。小児では保存的療法で治癒が期待できます。しかし、成人でポリープにより鼻腔と副鼻腔の交通が閉塞している場合、根治に手術が必要なることも少なくありません。

現在は内視鏡を用いてポリープや副鼻腔の腫れた粘膜を除去し、副鼻腔と鼻腔を一つの空間として換気を改善する手術が行われます。

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