種類
甲状腺がんは主に以下の5種類に分けられます。
乳頭がん
甲状腺濾胞細胞(甲状腺の99%を占める細胞)由来のがんで、甲状腺がんの90%近くを占めます。10歳代から高齢者まで幅広い年代で発症しますが、比較的若い女性によくみられます。
進行は緩やかで、10年生存率は約98%です。予後は一般に良好ですが、55歳以上では再発を繰り返したり、肺などに転移したりして死に至ることもあるほか、まれに悪性度の高い未分化がんに転化することもあります。
濾胞がん
甲状腺濾胞細胞由来のがんです。甲状腺がんの中では2番目に多く、30歳代から高齢者にまで発症します。
進行は穏やかですが、10年生存率は乳頭がんよりもやや低い傾向にあります。予後は乳頭がんと同様に、高齢者のほうが若年者よりやや不良です。なお、乳頭がんと濾胞がんは、比較的悪性度の低い“高分化がん”に分類されます。
低分化がん
甲状腺がんの約1%を占め、高分化がんと未分化がん(後述)の間のような特徴を示すがんです。
高分化がんと比較すると進行はやや早く、周囲の組織に浸潤したり、肺や骨などのほかの臓器へ遠隔転移したりしやすい特徴もあります。低分化がんは高分化がんと共存することもあれば、低分化がんであったものが未分化がんに進行することもあります。
未分化がん
甲状腺濾胞細胞由来のがんで、非常に悪性度が高いことが特徴です。甲状腺がんの約1~2%を占め、60歳以上に多く、乳頭がんや濾胞がんと比較して明らかな男女差がないことが特徴です。
進行は極めて急速で、診断されてから1年以上生存する確率は20%以下とされています。
髄様がん
髄様がんは、血中のカルシウム濃度を低下させるホルモンである“カルシトニン”を作るC細胞由来のがんであり、甲状腺がんの約1~2%を占めます。30歳代以降の人が発症しやすく、高分化がんと比較すると進行がやや速いことが特徴です。
髄様がんには遺伝性のものとそうでないもの(散発性)があり、約30%が遺伝性です。遺伝性髄様がん患者では褐色細胞腫などの異常を伴うことがあります。また、遺伝性髄様がん患者ではRETという遺伝子に変異があり、このような患者の子どもには50%の確率でこの変異が受け継がれ、高率かつ若年齢で発症します。そのため、早期に “発症前甲状腺全摘”が行われています。
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