へんぺいじょうひがんかんれんこうげん

扁平上皮癌関連抗原

別名
SCC抗原
子宮
食道
咽喉
皮膚
血液検査
血液を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
フォローアップ
治療の効果や、病気の経過を知るために行われる検査です。定期的に繰り返して実施されることもあります。
スクリーニング
ある特定の病気について、その可能性があるかどうかを広く知るために行われる検査です。具体的な診断をするためにはさらなる検査を必要とします。また、健康診断などで用いられることもあります。
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基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • 2.5以下ng/mL

扁平上皮癌関連抗原とは腫瘍マーカーのひとつです。SCC抗原と呼ばれることもあります。腫瘍マーカーは、がんの有無や種類、大きさなどを反映する目印となるものです。扁平上皮癌関連抗原では、頭頸部がん、肺がん、食道がん、子宮頸がん、皮膚がんの患者さんなどで検出されやすくなります。これらのがんにかかっている場合でも扁平上皮癌関連抗原が検出されないこともありますが、肺がん、子宮頸がんでは、比較的検出される割合が高いといわれています。

扁平上皮癌関連抗原の検査は、がんの有無を推測するためのひとつの手がかりにはなりますが、すべてのがん患者さんで検出されるわけではありません。また、正常細胞にも存在するため、この検査値だけでがんの有無を判断することはできません。また、扁平上皮癌関連抗原の検出しやすさはがんの部位によって異なるものの、数値の異常だけで、がんの部位を特定することもできません。

ただ、すでに治療を受けていて扁平上皮癌関連抗原が検出されたがん患者さんでは、がんの進行とともに数値が高くなることが知られているため、がんの進行度の管理指標としては優れた検査であるといわれています。

扁平上皮癌関連抗原の検査は、がんの治療の効果判定や、再発の早期発見のために行われることがあります。また、扁平上皮癌関連抗原は採血のみで測ることができる比較的簡単な検査のため、人間ドックのオプションとして行われることもあります。ただし、扁平上皮癌関連抗原はすべてのがん患者さんで陽性となるわけではなく、がん以外の因子で陽性となる場合もあるため、がんの発見を目的とした場合には、必ずしも効果的な検査ではありません。そのため、検査を受けるか否かは医師の説明をよく聞いたうえで考えるようにしましょう。

食事や喫煙の影響を受ける検査項目ではないため、検査前に注意することはありません。

検査を受けられない/受けるのに注意が必要な人

この検査では、血液中の物質の量を調べます。採血時のアルコール消毒でかぶれたことがある人は、スタッフに伝えるようにしましょう。また、血栓予防の薬を飲んでいる場合は、血が止まるまでに時間がかかることがありますので、スタッフに伝えるようにしましょう。

検査前に心がけるとよいこと

長袖の衣服を着用する場合は、腕をまくり上げられるような服装で検査を受けるようにしましょう。

一般的な健康診断時の採血と同程度の時間がかかります。また、針を刺す際に軽い痛みを感じることもあります。

検査の結果は、血液中の扁平上皮癌関連抗原の量で表されます。基準値は2.5 ng/mL以下であることが一般的です。ただし、検査の方法や検査機関によって基準値が異なる場合もあるため、結果については担当医の説明をよく聞くようにしましょう。

扁平上皮癌関連抗原が基準値よりも高い場合、頭頸部がん、肺がん、食道がん、子宮頸がん、皮膚がんなどがある可能性が考えられます。しかし、ほかの病気でも異常値となる場合もあるため、精密検査の結果を踏まえてがんがあるかどうかは判断されます。検査の種類はがんによって異なりますが、CT・MRIなどの画像検査や組織の一部を採取する病理検査、超音波検査、内視鏡検査などがあります。

また、がんの経過観察の目的でこの検査を行った場合は、ほかの検査結果も踏まえながら、治療効果を評価します。この場合、この検査の値が異常値であっても総合的に判断して経過が良好であると判断されることもありますので、医師の説明をよく聞くようにしましょう。

扁平上皮癌関連抗原は比較的簡単に行うことができる検査のため、がんの治療管理の指標としては優れた検査です。しかし、がんの診断目的では必ずしも効果的な指標とはいえませんので、この検査値だけでがんの有無を決めつけず、必要な検査を怠ることのないようにしましょう。また、がんの治療を行っている人についても、この検査値の増減だけで病状を判断することはせず、医師の説明をよく聞いたうえで必要な検査や治療を続けるようにしましょう。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。