とろんぼてすと

トロンボテスト

別名
TT
血液
肝臓
血液検査
血液を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
フォローアップ
治療の効果や、病気の経過を知るために行われる検査です。定期的に繰り返して実施されることもあります。
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基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • 70%以上

トロンボテストとは、肝臓で作られるビタミンKに関連した凝固因子(出血を止めるようはたらく血液中のタンパク質)の活性を測定する検査です。多くは、抗凝固剤のひとつであるワルファリンを服用している方に対して、その使用量を調整するために測定されます。

また、ワルファリンを使用していない方で異常値を示した場合には、ビタミンK欠乏症や肝障害、播種(はしゅ)性血管内凝固症候群(DIC)、先天的な凝固因子の欠乏などが疑われます。

ワルファリンは、主に深部静脈血栓症や心筋梗塞、肺血栓塞栓症などの血栓の病気や、人工弁をつけている方などに使用される薬です。このような方は、血管が詰まる原因となる血栓(血液の塊)ができやすい状態にあります。そこで、血液を固まりにくくし血液の流れをよくするワルファリンを服用し、血栓を予防しています。

トロンボテストはワルファリンの使用量を調整するために用いられることが多く、患者さんの状態に応じて目標値が決定されます。その目標値よりも低いと使用量過剰、高いと使用量不足と判断され、使用量過剰であれば減らす、使用量不足であれば増やすというように、結果に応じてワルファリンの使用量の調整が行われます。

トロンボテストは、主にワルファリンを服用している方に行われる検査で、通常この場合には経時的に測定されます。

ワルファリンを服用している方以外でも、ビタミンK欠乏症をはじめとする病気の診断のために用いられることもあります。ただし、病気の診断においてはあくまで補助的な役割で、この検査だけで病名を特定することはできません。

検査前に注意すべきことは特にありません。

検査前に心がけるとよいこと

トロンボテストは、血液検査によって行います。トロンボテストを受ける方は血液が止まりにくくなっている場合があるため、採血後にしっかりと止血することが大切です。

また、一般的には腕の静脈から採血を行いますが、袖まわりがきついと採血の妨げになる可能性があるほか、採血後に血液が漏れやすくなってしまいます。そのため、検査当日は袖周りにゆとりのある服装がよいでしょう。

検査は採血のみのため、スムーズに採血ができれば数分程度で終わります。針を刺すときにチクっとした痛みを感じますが、痛みは健康診断などで行う一般的な採血と同程度だと考えられます。

トロンボテストの結果はパーセントで表され、基準値は70%以上であるのが一般的です。ワルファリンを服用していないのに基準値を下回る場合は、ビタミンK欠乏症や肝障害、DIC、先天的な凝固因子の欠乏などが疑われます。

ワルファリンを服用している方においては、基準値を下回るのが通常です。なお、検査方法や医療機関によって基準値が異なる場合があるため、結果については医師からの説明をよく聞くようにしましょう。

トロンボテストは主にワルファリンの使用量を調整するために行われる検査ですが、病気の診断で用いられる場合もあります。この場合においては、あくまで補助的なもので、トロンボテストだけで病名を特定することはできません。そのため、基準値を下回った場合には精密検査が実施されることが考えられます。検査の内容は疑われる病気によって異なりますが、いずれの病気でも追加の血液検査が行われる場合が多くあります。肝障害では腹部超音波検査などの画像検査が実施されることもあります。

ワルファリンを服用している方においては、そもそもワルファリンの服用によって検査値は低くなるため、基準値を下回っても異常の判定とはなりません。服用中の方は、個人の状態に応じて目標値が決定され、この目標値に近づくよう都度薬の使用量が調整されます。

 

ワルファリンを服用していない方で基準値を下回った場合、ビタミンK欠乏症などの病気を発症している可能性があります。そのため、精密検査をすすめられた場合には、忘れずに受けるようにしましょう。

ワルファリンを服用している方では、ビタミンKが豊富に含まれる食べ物の摂取を控える、出血しないよう心がけるなど、日常生活における注意点があります。また、確実な血栓予防のためにしっかりと服薬管理を行う必要があります。日常生活上の注意点や服薬管理などについては医師からの説明をよく聞き、指示に従って生活を送るようにしましょう。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。