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おうたいけいせいほるもん

黄体形成ホルモン

別名
LH
卵巣
精巣
下垂体
血液検査
血液を採取し、その中に含まれる物質などを測定する検査です。
鑑別診断
この検査だけで病名を確定することはできませんが、異常の有無やどのような病気が考えられるかなどを知ることができるものです。検査結果に応じて、さらに検査が追加される場合があります。
フォローアップ
治療の効果や、病気の経過を知るために行われる検査です。定期的に繰り返して実施されることもあります。
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基準値・基準範囲(出典元:エスアールエル詳細)

※検査機関・検査方法によって異なる場合があります。

  • 女性:卵胞期1.76~10.24mlU/mL
  • 女性:排卵期2.19~88.33mlU/mL
  • 女性:黄体期1.13~14.22mlU/mL
  • 女性:閉経後5.72~64.31mlU/mL
  • 男性:0.79~5.72mlU/mL

黄体形成ホルモンとは、脳の下垂体から分泌されるホルモンの一種です。一般的にはLHと表記され、検査では血中濃度が測定されます。 

黄体形成ホルモンは、排卵や精子の生成、女性ホルモンの分泌を促す作用があり、性周期や生殖機能などに関与するホルモンであるため、無月経、不妊などの症状がある場合、多のう胞性卵巣症候群、精巣機能不全症などが疑われる場合、ターナー症候群など染色体異常による生殖機能の低下などがみられる場合に調べられる検査項目のひとつです。

また、黄体形成ホルモンは下垂体から分泌されるため、下垂体腺腫などによる下垂体機能亢進症、下垂体卒中などによる下垂体機能低下症によって数値が増減することがあり、それらの診断や重症度判定を目的として調べられることもあります。

黄体形成ホルモンは卵巣にはたらきかけて排卵を誘発し、排卵が起こった後の卵胞(卵子が成熟する袋)を黄体化してプロゲステロン(女性ホルモンの一種)の分泌を促す作用を持ちます。

つまり、黄体形成ホルモンは女性の性周期を担っており、排卵や子宮内膜の成熟、妊娠の維持に関与しています。一方、男性でも黄体形成ホルモンは分泌されており、主に精子の正常な形成を促す作用を持ちます。

閉経前の女性では、黄体形成ホルモンの値は性周期の時期によって異なり、排卵期にピークを迎え、排卵が終了すると急激に減少します。排卵期やその後の黄体期の黄体形成ホルモン値を調べれば正常な排卵が生じているか、どの部位に不妊や無月経の原因があるのかを推測することができます。

また、一般的には同じく下垂体から分泌され、卵子の発育やエストロゲンの分泌を促す卵胞刺激ホルモン(FSH)と同時に調べられ、黄体形成ホルモンと合わせて下垂体性ゴナドトロピンと呼ばれることもあります。

黄体形成ホルモンは上で述べたような症状があるとき、病気が疑われるときに行われる検査です。

一般的には、不妊や無月経などの症状を訴えて病院を受診した際にホルモン分泌の状態を調べる目的で調べられます。

一方、不妊治療で採卵などを行うとき、病気が確定した後に治療効果を判定するときに検査が行われることもあります。

黄体形成ホルモンの値は食事や運動などに影響されないため、検査前に特に注意すべきことはありません。

しかし、黄体形成ホルモン値のみでは不妊や無月経などの原因を正確に推測することは困難であるため、受診する際には1~2か月分を記録した基礎体温表を持参すると検査や診断がスムーズにいくことがあります。

検査前に心がけるとよいこと

黄体形成ホルモンは排卵や卵胞の黄体化に必要なホルモンです。このため、不妊や無月経などの症状で病院を訪れる際には、排卵期の少し前頃に受診するとよいでしょう。

また、検査当日は、卵巣や子宮の状態を確認するために内診や経腟超音波検査を行うこともありますので、脱ぎ着しやすい服装を心がけましょう。

黄体形成ホルモン値は血液検査によって測定されます。

血液の採取は、一般的な静脈血採血と同様の手法で行われますので、採血さえ滞りなく終了すれば、短時間で行うことができます。

また、検査時には採血による若干の痛みは伴いますが、基本的には一瞬の痛みで済むと考えられます。

黄体形成ホルモン値の基準値は性別や性周期などによって異なりますが、それぞれ以下の通りです。

  • 女性:卵胞期1.76~10.24、排卵期2.19~88.33、黄体期:1.13~14.22、閉経後:5.72~64.31(mlU/mL)
  • 男性:0.79~5.72(mlU/mL)

ただし、基準値の範囲は検査を実施する医療機関や医師の見解によって異なることもあるため、検査結果については自己判断せず、担当医の判断に委ねてその後の精密検査や治療の必要性についてよく話し合うようにしましょう。

黄体形成ホルモン値の異常は、脳の下垂体や卵巣の機能に異常をもたらす何らかの病気が背景にある可能性を示唆します。

具体的には、黄体形成ホルモン値が異常高値である場合には、卵巣や精巣機能の低下や多のう胞性卵巣症候群などで卵巣に器質的な異常が生じることによる排卵障害などが挙げられます。一方、異常低値の場合には、黄体形成ホルモンを分泌する下垂体の病気が疑われます。

しかし、この検査の数値のみでは病気を特定することはできないため、検査値に異常がみられた場合には、症状や他の検査結果から疑われる病気に合わせて、CT検査、MRI検査、排卵誘発検査、ホルモン負荷試験などの精密検査が行われます。

また、治療効果や病状の評価を行う目的で定期的に検査を行うケースで、前回の検査と比べて明らかな異常値がみられた場合、治療方法の変更、治療の開始・再開などを検討することがあります。

黄体形成ホルモンは排卵や妊娠の維持、精子の生成などに深く関わるため、妊娠を希望する男女にとって重要なホルモンです。

検査で異常が発見された場合は、医師の指示通りに精密検査を受けて病気を確定させ、治療につなげるようにしましょう。

また、女性の場合は日頃から基礎体温を記録し、基礎体温が低温期・高温期の二相性になっていない場合には排卵が正常に行われていない可能性が高いため、早めに病院に相談することが大切です。

本記事で採用している検査名称はより一般的な表現を採用しておりますが、医療機関や検査機関によって異なる場合があります。また名称が異なる場合、検査内容も一部異なっている場合があります。