歯列矯正を検討したときに気になるのが、見た目や痛みの問題ではないでしょうか。それらの問題を改善してくれる新たな矯正方法が登場しています。それが“マウスピース矯正”です。香川県坂出市のこうざと矯正歯科クリニック 院長の上里 聡先生にマウスピース矯正のメリットや特徴についてお話しいただきました。
矯正は、ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正に大きく別れます。
ワイヤー矯正にはさらに金属ブラケット、審美ブラケット、セルフライゲーションブラケットの3種類があります。
ワイヤー、歯に装着するボタンともに金属でできた矯正装置です。皆さんが矯正と聞いて思い浮かべる装置はこの金属ブラケットが多いのではないでしょうか。丈夫な点と比較的安価な点がメリットで、費用は全ての矯正装置のなかでもっとも安く65万円です(当クリニックの場合)。ただし審美性に劣ります。
白や透明といった目立ちにくい色で作られたブラケットが審美ブラケットです。金属ブラケットよりも目立ちにくく、かつ金属ブラケットと同様にあらゆる不正咬合(噛み合わせの問題)に対応できます。治療費用は75万円です(当クリニックの場合)。
ブラケットそのものにワイヤーを留めるふたをつけることで摩擦力を少なくし、痛みを軽減したブラケットです。摩擦力が少ないため歯が動くスピードが金属ブラケットなどよりも早く、治療期間の短縮が見込めます。治療費用は85万円です(当クリニックの場合)。
歯の裏側に装着するブラケットです。リンガルブラケットを使用した矯正は“裏側矯正”と呼ばれます。歯の裏側に矯正装置をつけるため、外からは矯正していることはほとんど分かりません。しかし矯正装置が舌に当たることで食事や会話がしにくいという難点もあります。治療費用は120万円です(当クリニックの場合)。
マウスピース矯正はその名のとおり患者さん一人ひとりに合わせたマウスピースを作って装着することで、矯正をしていく治療法です。治療の段階に合わせ、およそ2週間に1回の頻度でマウスピースを交換していくことで徐々に歯を動かし、歯並びを整えます。治療費用は85万円です(当クリニックの場合)。
マウスピース矯正もワイヤー矯正も裏側矯正も、矯正をするという目的は同じです。この三者の差はどこにあるのでしょうか。それは、歯の状態や矯正期間中の快適さに関係します。
マウスピース矯正に使用するマウスピースは、ほぼ透明で装着時にはほとんど目立ちません。よく見ないと気付かないほどです。そのため「矯正はしたいけど、見た目が気になる」という方におすすめです。
マウスピース矯正はワイヤー矯正と異なり、自在に取り外しが可能です。歯を磨く際にも装置を取り外していつもどおりに歯を磨けるため、虫歯などになりにくくお口の中を清潔に保つことができます。
食事の際も装置を外すため、装置の間に食べかすが詰まるという心配もありません。餅などのねばつきのあるもの、おせんべいなどの固いものも大丈夫です。自由に好きなものを食べることができます。
矯正をするにあたって気になるのは痛みです。マウスピース矯正はマウスピースを交換しながら少しずつ歯を移動していくため、金属を使用するワイヤー矯正よりも痛みを軽減できます。また、マウスピースの厚さも1mm以下と薄いですから、装着中の違和感もほとんどなく、快適に過ごせます。
治療中に口元に衝撃が加わるようなことがあっても、金属製の矯正装置のように唇やお口の中を傷つける心配もほとんどありません。
このように魅力的なマウスピース矯正ですが、歯並びの状態によってはワイヤー矯正のほうが適していることもあります。歯並びの状態があまりよくない方だと、マウスピースよりもワイヤー矯正のほうが治療期間が短く済みますが、仕事の都合などでマウスピース矯正を希望される場合は多少時間がかかってもマウスピース矯正を行うこともあります。
マウスピース矯正は10歳代の方からできます。まだ乳歯がある状態でも治療可能です。また、ほかの矯正装置は自分での取り外しが不可能で24時間つけっぱなしですが、マウスピース矯正は取り外し可能なので1日22時間以上装着していれば取り外しても問題ありません。実際、食事中や歯磨きなどの口腔ケアのときには取り外していただきます。
医療法人社団ゆずか こうざと矯正歯科クリニック 理事長
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