「インフルエンザの潜伏期間に感染したかどうかがわかれば、人にうつすことも少なくなるのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、潜伏期間中、つまり無症状のときにインフルエンザに感染したことを知るのは難しいとされています。この記事では、インフルエンザの潜伏期間や兆候、潜伏期間中の検査などについて解説します。
インフルエンザの潜伏期間は、1~4日とされています。個人差がありますが、平均すると約2日程度です。
子どもや高齢者などの場合でも、潜伏期間が変わるということはないようです。しかし、発症したあとは、子どもの場合にはまれに急性インフルエンザ脳症などを、高齢者は肺炎などを併発し、重症になることがありますので気をつけましょう。
インフルエンザは、発症する1日前から発症後3日目までが特に感染力が高いといわれています。まだ何も症状が現れていない潜伏期間のときから他の人に感染することが、インフルエンザが流行する大きな理由だといえるでしょう。
潜伏期間とは、そもそもウイルスや細菌に感染してから体に病気の兆候や症状が現れるまでの期間のことを指します。兆候や症状がないのが潜伏期間ですから、「潜伏期間中であるかどうか」を自分で知ることは難しいと考えられます。
しかし、インフルエンザにかかりやすい状況にいたかどうかを確認することで常識的な判断ができることもあります。
たとえば、身の回りにインフルエンザの人がいれば、自分もインフルエンザに感染しているかもしれません。また、インフルエンザが流行している時期に人が多く集まる場所に行った場合も、インフルエンザに感染している可能性を考えることができます。
インフルエンザは早い段階で検査をしても陽性の反応が出ず、感染していることがわからないことがあります。
インフルエンザの検査は、発症直後などの早い段階ではウイルスがまだ十分増えておらず、本当は感染しているのに正しく陽性反応が出ないことがあります。一般的にインフルエンザの検査の信頼性が高まるのは、検査キットの種類にもよりますが、どんなに早くても6時間以上、できれば12時間経過してからといわれています。
まだ何も症状がない潜伏期間にインフルエンザの検査を受けることは考えにくいでしょう。また、もし仮に受けたとしても、上記のような理由から正確な結果が出ない可能性もあります。
潜伏期間中に確実に感染しているかどうかを知る方法はありませんが、家庭内や会社で感染者が出た、不特定多数の人が集まる場所に行ったなど、「もしかしたら感染しているかも?」と考えることのできるタイミングはあります。
そのような場合には、潜伏期間中は体調に十分注意を払い、以下のようなことに気をつけて過ごすと良いでしょう。
もちろん、何かしらの症状が体に現れた場合には速やかに受診することがもっとも大切です。