あきれすけんしゅういえん

アキレス腱周囲炎

最終更新日:
2018年09月14日
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2018/09/14
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概要

アキレス腱周囲炎とは、ふくらはぎの筋肉の(けん)に相当するアキレス腱を覆うパラテノンと呼ばれる組織に炎症が生じた状態を指します。

スポーツやレジャーなどで走ったりジャンプしたりすることにより、アキレス腱周囲が過度に引っ張られることなどが原因で発症します。

炎症に伴い、痛みだけでなく腫れや熱感が現れることもあります。歩いたり、階段をのぼったりする動作に伴って症状が起こりやすいため、日常生活にも影響を及ぼすことが考えられます。

原因

アキレス腱周囲炎は、アキレス腱に対して繰り返し負荷がかかることを原因として発症します。

足首は多くの体重がかかる部位ですが、歩く・走る・ジャンプするなどの動作に伴い足首をひねる、足首が内側(もしくは外側)に傾きアキレス腱周囲が過度に引っ張られる、などの動作が生じます。このような動作が繰り返されるとアキレス腱周囲に過剰な負担が生じ、その結果として炎症が引き起こされます。

アキレス腱周囲炎は、普段はあまり運動をしないのに突然運動をしたり、普段から運動をしていても限界以上の運動負荷を強くかけたりするなどの状況で生じやすいですが、日常動作で発症する方も少なくないです。

また、扁平足(へんぺいそく)の方、底のすりへった靴などを履いている方などもアキレス腱周囲炎を発症しやすいと考えられています。

症状

アキレス腱周囲に炎症が生じた状態であるため、炎症に関連した症状が生じます。

具体的には、アキレス腱周囲の痛みや圧痛、腫れ、熱感、発赤などの症状が挙げられます。こうした症状は、歩く、走る、階段を上るなどの運動に伴って起こりやすいです。

また、アキレス腱周囲炎を生じることで、ギスギスときしむような感覚を覚えたり、重症の例では音が鳴ったりすることもあります。

アキレス腱周囲炎による痛みを放置すると、ちょっとした日常動作に関連して痛みが引き起こされ、日常生活に支障をきたすこともあります。

検査・診断

アキレス腱周囲炎の診断では、アキレス腱周囲での痛みや腫れ、しこりなどを診察によって確認します。また、かかとの可動域も確認します。

アキレス腱周囲炎が疑われる場合には、アキレス腱周囲のレントゲン撮影や超音波検査、MRI検査といった画像検査が行われます。これらの検査を行うことで、アキレス腱周囲に炎症が生じている状態を評価することが可能です。また、アキレス腱そのものにも炎症が生じることがあるため、周囲の範囲を含めて変化を評価します。

治療

アキレス腱周囲炎では、炎症が生じている急性期には局所の安静を保つことが大切です。

袋に詰めた氷などを使って局所を冷やし、消炎鎮痛剤などで炎症を抑えることも大切です。症状が続く場合には、局所へのステロイド注射も検討されます。

また、ランニングや長時間のウォーキングなどを行っている場合は、局所の安静を保つために一時的に休息することが必要です。

急性期の炎症症状が落ち着き、痛みが軽減したら徐々に運動負荷をあげていきます。ストレッチや筋力トレーニング、正しいフォームで走る、自分の足にあった靴を使用する、テーピングやインソールの使用などの対策も大切です。こうした観点は、再発を防止するためにも重要といえます。

治療せず放置してしまうと、症状が悪化し治療経過が数か月に渡ることもあります。そのため、痛みを自覚した早い段階で医療機関の受診を検討し、治療を継続することが大切です。

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