てにすひじ

テニス肘

(上腕骨外側上顆炎)

最終更新日:
2021年10月11日
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2021/10/11
更新しました
2017/04/25
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概要

テニス肘とは、手首を伸ばすはたらきをする筋肉(短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん))に炎症が起き、肘関節の外側部分に痛みが現れる病気です。医学的には“上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)”と呼びます。

好発年齢は30歳代後半〜50歳代で、発症すると痛みの影響から日常生活の動作に影響が生じることがあります。テニス選手に多く発症しますが、実際にはテニス以外のスポーツや家事などの動作によって発症するケースも少なくありません。

治療は主に保存的治療(手術ではない治療法)が行われ、まずは手首の筋肉に負荷をかけないよう安静にすることから始めます。また、テニス肘は治ったと思っても再発することが多いため、治療後も予防策を行うことが大切です。

原因

原因ははっきりと分かっていませんが、主に手首を伸ばすはたらきをする短橈側手根伸筋()に負荷がかかることが原因と考えられています。

たとえば、テニスの動作でいうとラケットを振ったりボールを握ったりすることが原因になるほか、日常生活では重いものを持ったり片手で引っ張ったりすることや、腕を回したりすることなどが原因になる場合もあります。

症状

症状は、ある一定の動作をしたときに肘の外側から前腕が痛むことが特徴です。たとえば、ものをつかんで持ち上げる、タオルや雑巾を絞るといった動作に伴って痛みが生じることがあります。その一方で、安静にしているとき(すなわち、筋肉の動きを伴っていないとき)には痛みが生じないことが多いです。

これを放置すると症状が悪化し、何もしていない状態でも痛みが生じることもあります。

検査・診断

テニス肘は、身体診察におけるテストから診断されます。代表的なものには、Thomsenテスト、Chairテスト、中指伸展テストの3つが挙げられ、いずれのテストも動作に関連して肘の外側の痛みを確認します。

このほか、筋肉の状態やほかの病気との鑑別のために、必要に応じてX線検査やMRI検査、筋電図検査などが行われます。

治療

上腕骨治療は大きく保存的療法と手術療法の2つに分けられ、まずは保存療法から始めます。手術療法は保存療法では効果がなかった場合、痛みが強い場合などで検討されます。

保存療法

原因となるスポーツの一時中止も含めた患部の安静、ストレッチ、薬物投与、装具着用などがあります。テニス肘が起こる要因は使い過ぎによるものなので、少し作業を控えるとともに、手首周辺の筋肉のストレッチを行います。

痛みが強い場合などには湿布や外用薬の処方が検討されるほか、肘の外側にステロイドの注射が検討されることもあります。また、作業を行うときには専用のベルト(装具)を装着します。

手術療法

保存療法を開始してから半年程度で多くの人はよくなりますが、改善しない場合には手術を検討します。手術では原因となる組織などを切り離すことで、テニス肘を起こしにくくします。

セルフケア

痛みの緩和には、ストレッチや筋力トレーニングなどが有効な場合があります。

たとえば、肘を伸ばした状態で手首を曲げ、30秒静止した後に脱力することや、腕や手首を回す運動など手軽なものを取り入れるとよいでしょう。ただし、痛みの強いときは控えるようにしましょう。

なお、スポーツに復帰する目安には個人差がありますが医師と相談のうえ、痛みが生じてから3週間程度経過すれば復帰を検討してもよいでしょう。復帰の際は専用のベルトを着用したうえで行い、ストレッチなどを入念に行うことが大切です。

予防

テニス肘は使いすぎによって生じるため、スポーツや作業などを適度な量にとどめることで予防が可能です。また治療と同様、予防にもストレッチが有効です。前述のストレッチなどをこまめに取り入れ、筋肉の柔軟性を高めましょう。ただし、痛みの強いときは控えましょう。

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