治療
手指屈筋腱損傷では、原則として外科的手術が行われます。いずれも術後はリハビリテーションなどの後療法が行われます。
外科的手術
屈筋腱が完全に断裂している場合には外科的手術が考慮されます。受傷から早期(3週間)の場合には、断裂した屈筋腱を縫い合わせる手術(腱縫合術)が行われます。
一方、受傷から数週間以上経過している場合や、屈筋腱が引きちぎられたり鈍器などによって潰れたりしていると縫い合わせることが困難な場合があります。このような場合には、長掌筋腱などの腱を移植する手術(腱移植術)が行われることもあります。
後療法
術後は後療法が行われます。屈筋腱を縫い合わせた後はすぐに十分な強度を得られるわけではなく、ある程度自由に動かせるようになるまでには3週間程度必要です。
一方で、屈筋腱にかかわらず、術後は治癒の過程で腱と周囲の組織が癒着してしまうことがあります。そのため、癒着予防のためにも早期から後療法を行うことが大切です。
後療法には、術後3週間程度の間ギプスなどで固定する方法や、装具を用いて早期から指を動かすためのリハビリテーションを行う方法などがあります。
癒着のリスクが高い場合には、早期運動療法が行われることもあります。早期運動療法には、ゴムの力を利用して縫い合わせた部分に余計な力を加えず腱を動かすKleinert法や、手術で強固に縫合したうえで軽い屈伸運動を行う方法などがあります。
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