症状
腓骨神経は、下肢の外側から足の甲、足の小指を除いた足の指にかけての感覚と、足首や足の指を上にあげる運動、足首を外側に向ける運動機能に関わっています。そのため、腓骨神経麻痺を発症すると、これらの感覚や運動機能に障害を生じることになります。
最も障害を受けやすい腓骨頭において神経が障害を受けると、上の機能がそろって障害を受けることになります。すなわち、下肢の外側から足の甲、足の指にかけてしびれや痛み、じんじんした感覚を訴えるようになります。感覚障害は足の甲から始まり、徐々に上昇します。長期間麻痺が持続すると、足の甲において足の親指と人差し指の付け根で、感覚を感じないハート型をした部分が形成されることになります。
また運動機能であれば、足首を挙げることができなくなり、「下垂足」をみるようになります。神経障害がないときの歩行であれば、無意識のうちに足をあげ、同時に足首を曲げる運動をしていますが、腓骨神経麻痺ではこのうち後者ができなくなるため、足を引きずるようになります。また、ものに足を引っかけることが多くなり、転倒するリスクも伴うようになります。さらに腓骨神経麻痺では、神経が障害を受けている部位(特に膝の外側)を叩くと神経の支配領域に一致して(下肢外側から足の甲にかけて)痛みが誘発されます。
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