治療
癒着が軽度で自覚症状がない場合、特別な治療は必要ありません。ただし腸の運動を改善し、通過障害を予防する目的で漢方薬が処方されることもあります。
一旦通過障害が現れ、嘔吐や腹痛の症状が生じた場合は原則入院して、絶食、点滴による水分補給を行います。また、イレウス管という細長い管を鼻から通し小腸まで到達させて内容物を吸引する処置を行います。この処置により、腫れていた腸内部が減圧され、通過障害が改善することが期待されます。
ただし、イレウス管による処置を行っても癒着が高度で、造影剤などの液体成分が肛門側へうまく流れていかない場合、腸が締め付けられて壊死している状態(絞扼性腸閉塞)などは手術の適応となります。この場合、治療目的で行った手術がさらなる癒着を引き起こす可能性もあるため慎重な判断を要します。
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